道議会質疑 一般質問(3月11日)(道議会 2022-08-19付)
【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】
【質問者】
▼船橋賢二議員(自民党・道民会議)
▼真下紀子議員(日本共産党)
【答弁者】
▼鈴木直道知事
▼中島俊明総合政策部次世代社会戦略監
▼倉本博史教育長
=役職等は当時=
◆高校適正配置
Q船橋議員 公立高校の在り方について。本道においても、人口減少に歯止めがかからず、特に少子化による問題は、それぞれの地域や産業に想像を超えるスピードで大きな影響を及ぼし、決して先送りすることはできない喫緊の課題である。
道教委でも、少子化等の状況を踏まえ一定の学校規模を保つため、高校の再編を進めていると承知しているが、本道におけるこれからの適切な高校配置の在り方などについて、知事ならびに教育長へ伺う。
平成12年度に策定された公立高校配置の基本指針と見通しに基づき、時代の要請に応えるとする本道の高校教育のあるべき姿と、それを踏まえ、高校配置の在り方については検討する必要があるとして、30年3月にこれからの高校づくりに関する指針が策定され、この指針に基づき、公立高校配置計画を毎年度策定し、募集定員の調整や学校の再編などが進められていると承知している。
高校の配置が地域に与える影響や、高校に対する地域の期待や取組なども十分に勘案し、適切な高校配置に努めるとする道教委において、これまでの取組をどのように検証しているのか、また、これからの学校配置計画を今後どのように進める考えか、併せて教育長に伺う。
道教委は、地域の期待や取組など、地域の中でその高校が果たす役割などを十分に踏まえ、知事部局との連携を深めながら適切な高校配置を進める上でも、地域別検討協議会において、再編整備などに係る考え方を丁寧に説明し、地域の皆さんの声を十分に聞き、できる限り地域の皆さんの理解を得られるようしっかり努力するとのことであるが、その地域別検討協議会に出席した方々からは、形式的で一方的に説明を聞かされて、意見を述べる機会があってもその意見などは受け流されるだけで、全く無意味な会議であったと皆さんから聞かされている。
そこで、道教委が言っている地域別検討協議会とは一体どういうものなのか、また、これまでにどのような成果があったと捉えているのか、教育長の所見を伺う。
中学校卒業者数の減少が続く本道の状況にあっても、教育環境を整え、生徒の幅広い学習ニーズに対応し、進路の実現を図るためには、一定の学校規模を有することが望ましく、道教委は高校の再編は避けて通れないとの考えであるが、一方で、広域分散型の本道においては、地域創生の観点や地域の教育機能を確保することは重要であり、各学校が地域を挙げて、その地域ならではの特色ある教育活動を推進する体制の充実や維持は、これからも重要な取組であると、その考え方も示している。
そこで、これまで募集停止を判断してきた基準と、これからの考え方について、教育長に伺う。
道教委は、地域と一体になり、地域の実情を踏まえ、特色ある学校づくりを行うことを目的とし、コミュニティ・スクールの活用を進めていると承知している。
私の地元にある留辺蘂高校は、特色ある学校として、地域では十分に理解されており、ケースによっては、逆に地域の皆さんから学校に対し様々な協力が求められ、充実した活動が広がっている状況であり、そういう意味では、コミュニティ・スクールがしっかり根付き始めており、これまでなかった取組に、これからの期待がますます高まっている。
特色ある高校を目指す道教委は、5年度の募集停止を決定したとされる留辺蘂高の取組をどの程度把握し、どのように評価しているのか、また、北海道の将来を見据え、北海道らしい公立高校のあるべき姿についてどのように認識しているのか、知事ならびに教育長の認識を伺う。
A鈴木知事 公立高校の在り方について。児童生徒数の減少によって学校の統廃合が進む中、人生の選択を考える重要な時期である高校において、地域の将来を支える人材を育成するためには、地域創生の視点を踏まえ、多様な魅力と特色のある高校づくりを進めることが重要である。
そのような中、留辺蘂高においては、地域の方々の意見を伺う高校魅力化フォーラムを立ち上げ、環境や福祉など、総合学科において特色を生かした教育を実践するなど、地域と一体となった取組が進められていると承知している。
私としては、今後、各振興局と教育局との緊密な連携による地域創生に向けた取組を促すとともに、人口減少や広域分散という本道の課題とハンデや、急速な国際化とICT環境の整備、さらには、子育て世代の価値観の多様化といった時代の変化を的確に捉えつつ、道教委や有識者の方々との議論を深め、北海道の特色を生かした教育環境の整備に取り組んでいく。
A倉本教育長 公立高校の在り方に関して、まず、適切な高校配置に向けた取組の検証などについて。少子化に伴い、中学校卒業者数が減少し、都市部では、高校の再編などを行う中で、一定の学校規模が維持され、生徒の興味・関心や進路希望に応じた弾力的な教育課程の編成などが可能になっている。
一方、郡部においては、多くの高校が小規模化しており、教育課程編成上の制約など、様々な課題を抱えているものの、近隣の高校への通学が困難で地元進学率が高い場合は、地域の教育機能の維持向上を図る観点から、地域連携特例校に位置付け、協力校からの出張授業や合同の学校行事など、連携した教育活動を行うほか、T―baseから多様な教科・科目を配信するなど、教育環境の充実に努めてきた。
道教委としては、今後とも高校配置計画の策定に当たり、地域別検討協議会や市町村などでの説明会において、地域の保護者の皆さんや関係者の方々と一層丁寧な協議を行うなど、地域の実情を踏まえながら、生徒の多様なニーズに対応した魅力ある高校づくりに取り組んでいく。
つぎに、地域別検討協議会の意義などについて。道教委では、高校を取り巻く環境が著しく変化する中、高校配置に係る様々な課題について、市町村長や市町村教委教育長、保護者の方々を含めた学校関係者などと幅広く意見交換するため、通学区域ごとに検討協議会を開催しており、これまでも、意見や要望などを踏まえ、道立高校と町立高校の再編による町立の新設校の設置、再編後の新設校の学科構成や学級減に伴う学科転換の内容、通学費等補助制度の改善に反映させるなど、より地域の実態やニーズに即した高校配置に努めている。
道教委としては、今後の開催に当たり、いただいた意見等に対する改善の方向性や検討課題、考え方をこれまで以上に丁寧に説明するなど、各高校における成果や課題の共有を図るほか、一定の圏域で高校の配置の広域的な在り方などについて率直に意見交換できる場を新たに設けることを、高校づくりの指針を見直す中で検討していく。
つぎに、高校の再編基準などについて。道立高校については、第1学年が2学級以下となった場合に、中学校卒業者数の状況や地元からの進学率などを総合的に勘案し、再編整備を進めることとしているが、地域連携特例校および農業科や看護科などに関する学科を置く高校については、再編基準を、第1学年が20人未満となり、その後も生徒増が見込まれない場合とした上で、高校の教育機能の継続に向けた地域の取組により、一定の効果が見込まれる場合には、再編を留保するなど、可能な限り存続を図っているところである。
道教委としては、高校の再編については、多様で柔軟な教育課程を編成し、生徒の学習ニーズに応えるための学校規模の適正化と、生徒の修学機会の確保や地域創生の観点に立った教育機能の維持の両面から検討を重ねることが必要と考えており、今後とも、こうした考え方に立って、適切な高校配置に努めていく。
最後に、留辺蘂高の取組などについて。本年度の配置計画で、5年度の募集を停止することとしている留辺蘂高は、平成12年度から総合学科に転換し、国際理解や福祉など、学科の趣旨を踏まえた特色ある科目を開設し、地域社会を担う人材の育成につなげるとともに、ユネスコスクールとして、地球規模の環境問題などに取り組むESDを推進するなど、地域に根差した魅力ある高校づくりに努めており、こうした取組については、地元のニーズを踏まえながら、市内の高校で継承するなど、今後も生徒の多様な学習機会を確保することが大切と考えている。
道教委としては、新しい学習指導要領の趣旨を踏まえた個別最適な学びと協働的な学びの一体的な教育活動や、地域と連携・協働しながら社会に開かれた教育課程を編成し、生徒の学習ニーズに応えられる高校づくりがこれまで以上に重要と考えており、今後予定されている指針の見直しを行う中で、こうした教育環境の充実を図り、これからの時代に求められる高校教育の実現に向け、取り組んでいく。
◆地元の声聴取
Q船橋議員 学校配置計画、地域別検討協議会、募集停止について、それぞれ、考え方とこれからの公立高校の在り方について、教育長から答弁をいただいたが、5年度において募集停止を決定済みとしている留辺蘂高の地元の関係者からは、先週末も含めいまだに私のところに存続に向けた要望書が寄せられており、その話を伺っている限り、地元の関係者に対しては、道教委がいつも話している、丁寧に説明し、地域の声を十分に聞き、できる限り地域の理解を得られるように努めているという姿勢は、全くと言っていいほど伝わってこない。
また、配置計画でいうところの、学区における中卒者の進路動向等の見極めに関しては、その考え方がうまく伝わっておらず、両者の理解には大きな齟齬と隔たりがあり、このままだと、高校に対する地域の期待や取組を十分勘案しながら、適切な高校配置に努めるとする指針の基本的な考え方に反することになりかねない。
先ほど申し上げた留辺蘂高は、ここ数年において新たなる取組を含め、その成果が現れてきており、コミュニティ・スクール的な効果として、4年度の入学者数が例年に比べ増加し、現段階では20人を上回る見込みであり、さらには現時点での進路予測で、5年度においてもことし以上の入学者が十分に期待できるとの認識であって、こうした状況下にある地元の皆さんは、留辺蘂高を5年度で募集停止とする道教委の決定については、これまで数回開かれた地域別検討協議会の説明を含め、誰も認識していないというのが現状である。
道教委は、このような地元の皆さんの声をどのように捉えているのか、また、配置計画の見直しを含め、今後どのように対応するつもりなのか、再度、教育長に伺う。
今まさに進路選択を迫られている子どもたちにとって、より良い選択肢とは何なのかについて、道教委と地元で関係する皆さんがきちんと向き合い、しっかりと議論を尽くすことが大人としての最低限の責任と役割ではないか。
丁寧な議論と説明を基本とする道教委ならば、特に募集停止を決定するという何よりも重要な場面での議論や説明こそ、より丁寧な対応が求められ、その場面にこそ教育長自らが出向き、幅広く、そして丁寧な議論や説明を行うべきである。知事なら間違いなく現地に出向くと思っている。
そういう対応ができてこそ、存続するにしても、募集を停止するにしても、多くの方々が少しでも納得し、つぎに向けた前向きな行動に結び付くと私は考えている。
これからの道内における高校の在り方については、今一度しっかり見つめ直していただき、固定概念にとらわれることなく、様々な選択肢についてより深く議論を進め、的確で適切な高校配置と、そこから始まる魅力ある高校づくりに徹していただくことを強く指摘する。
A倉本教育長 地域の皆さんの意見に対する受け止めなどについて。留辺蘂高については、これまでの教育活動やきめ細かな指導が、地域の皆さんからも評価していただいているものと受け止めている。
こうした取組については、地域のニーズを踏まえ、市内の高校で継承するなど、生徒の多様な学習機会を確保することが大切と考えている。
道教委としては、これからの高校教育において、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な教育活動や、生徒の多様な学習ニーズに応えられる学校づくりがこれまで以上に求められている中、こうした教育の実現に向けては、一定の生徒数の中で学び合う環境も必要であることから、また、留辺蘂高については、総合学科としての生徒の多様なニーズへの対応が難しいことなどからも、5年度での募集停止はやむを得ないと考えており、今後も、関係市町村の皆さんと連携を図りながら、地域の方々への丁寧な説明に努めていきたいと考えている。
◆女性の健康支援
Q真下議員 女性の健康支援等について。衛生用品であるトイレットペーパーについて、昭和56年、私ども日本共産党の本間喜代人議員が、当時、父母負担となっていた道立高校のトイレットペーパーを公費負担にすべきと質問し、当時の教育長は、現時点において、道立高校におけるトイレットペーパーは生徒負担だとの見解を示していた。
しかし、翌年、公費による設置が実現した。どのような経過と理由で変更したのか、教育長に伺う。
あれから40年が経った。昨年の第2回定例会で、菊地葉子議員は、コロナ禍で生活が困窮する学生らが、生活必需品である生理用品を購入することができず、交換回数を減らしたり、トイレットペーパーを代用するなど、深刻な状況が顕在化していると指摘して、設置を求めた。
生理用品は、生命の誕生にとって不可欠な公衆衛生用品である。知事および教育長は、その認識をお持ちか。生理の貧困にとどまらず、女性の健康、公衆衛生の立場から、女子生徒などが安心して使用できる環境をつくるべく、歴史を前に進めるときである。
道内の設置状況を伺うとともに、道が率先して、道立学校や道立施設などのトイレに生理用品を公費で設置するよう、知事および教育長の決断を求めるが、いかがか。
A鈴木知事 女性の方々に対する支援等についてであるが、国の調査によると、道内においては、昨年7月現在、6市2町が防災備蓄品などを活用しながら、学校等への生理用品の支援を行っていると承知している。
また、道立施設では、女性相談援助センターや児童相談所で配布するなど、一律ではなく、それぞれの施設の設置目的や利用される方の状況などに応じて、適宜、必要な配慮を行っているところである。
道としては、生理の貧困の背景にある困窮や家族の問題、健康に対する知識不足など、個々の事情に向き合い、相談に応じながら、それをきっかけとし、継続的な支援へつなげることが重要と考えている。
今後とも、女性の方々が抱える様々な課題を把握し、市町村はもとより、地域における民間の支援機関の皆さまとも連携を図るなど、困難を抱える女性の方々のニーズに応じた適切な対応に努めていく。
A倉本教育長 はじめに、女性の健康支援等に関して、まず、学校におけるトイレットペーパーの設置の経緯などについて。当時、道立学校の大部分のトイレがくみ取り方式であり、トイレ用の紙は生徒が負担してきていたが、次第にトイレの水洗化が進み、排水時の構造上の理由などから、排水に支障のないトイレットペーパーを使用する必要があったこと、また、学校トイレの水洗化への切り替えを進めていたことや、他県の公費負担への移行状況、道議会での議論なども総合的に勘案し、昭和57年度から公費で負担することとなったものである。
つぎに、児童生徒等への支援について。生理用品は、生活になくてはならないものであり、家庭の経済的理由等で購入できないなどの問題は、児童生徒の心身にも影響を与えるものと認識している。
道立学校では、生理用品について、保健室に設置しているのは209校、そのうち、トイレにも設置しているのは7校となっている。
生理用品をトイレ等に常備する場合、非対面によって気兼ねなく自由に使用することができるメリットがある反面、購入予算をはじめ、衛生面や補充を含めた設置場所の管理方法などに課題があると考えられる。
道教委としては、市町村教育委員会等と連携を図るとともに、すでにトイレに設置している道立学校の現状や課題などを整理するほか、先行実施している他都府県の事例を研究するなど、本道における取組を検討していくこととしている。
P真下議員 旭川市では、市が配布する生理用品とは別に、申請しなくても自由に使える環境をつくろうと「Set Up ASAHIKAWA」という団体が市の中心部の商業施設等のトイレに生理用品を設置し、月におよそ800個が使用されている。ニーズは大きいと考える。
今回、教育長が、道立学校における生理用品の設置について、本道における取組を検討すると明言したことは、大きな一歩である。早期の実現を求めておく。
◆原発汚染水
Q真下議員 福島第一原発汚染水の海洋放出等について。復興庁と資源エネルギー庁は、福島第一原発から出た放射能汚染水について、原発の処理水は安全と宣伝するチラシを作成し、放射線副読本に同梱させ、国から直接各学校に配送された。
チラシには「誤った情報に惑わされないために。誤った情報を広めて、苦しむ人を出さないために」と題して、大幅に薄めてから海に流す、世界でもすでに海に流していると、汚染水海洋放出を正当化する主張を書き、不安を覚える人に誤った情報と決め付けるという極めて乱暴な内容となっている。
放射能汚染水に対する認識と、海洋放出は、被災地も含め、国民の理解を得られていると認識しているのか。被災地では海洋放出を認めていない中、一方的に安全を強調したチラシの学校への配布が適切と判断した理由を教育長に伺う。
A倉本教育長 福島原発などに関して、まず、処理水について。被災地の児童生徒へのいじめの問題など、原子力災害に起因する、いわれのない偏見や差別、関連する風評影響を防ぐためには、放射線に関する正しい知識の理解が必要である。
道教委としては、処理水に関する取組については、国の責任において、安全性の確保を前提として、被災地の住民の皆さんはもとより、国民の理解を得ながら、適切な対策を講じることが重要であると考えている。
つぎに、学校におけるチラシの取り扱いについて。このたびのチラシについては、文部科学省が毎年配布している放射線副読本と共に、本年度初めて、国から直接学校に配送されており、報道では、東北の一部の市町村において、学校に一度配布したチラシを回収しているものと承知している。
道教委としては、副読本などを含めた補助教材については、指導の効果を高めるため、児童生徒の実態等に応じ、校長の責任のもと、その活用について検討するものであると考えている。
P真下議員 福島第一原発汚染水の海洋放出等について。くしくも11年前の本日、3月11日は、福島第一原発を引き起した東日本大震災が起こった日である。
安全性が確認されていない放射能汚染水の海洋放出には、今も被災地が反対しているにもかかわらず、安全と称するチラシを学校に配布することは、安全神話の再来であり、強く抗議する。
◆働き方改革
Q真下議員 教育課題について。道教委は教員の働き方改革の一環で、業務量の適切な管理と、健康、福祉の確保に生かすため、勤務時間の記録を公表した。
しかし、28%の教員が、打刻前あるいは打刻後に仕事をしているという労働実態が、高教組、道教組の調査で明らかとなった。
記録のない休日出勤も45%あり、休憩時間に業務をするは89%あり、持ち帰り残業も72%に上る。時間外の上限を超えないために、特に打刻後の見えない残業が多くなっている。
こうした実態を道教委は把握しているか。働き方改革の目的が果たされていると胸を張れるのか、教育長に伺う。
A倉本教育長 在校等時間の正確な把握について。全ての教職員が在校等時間を正しく計測、記録することは、働き方改革を進める上で大切な取組であり、実際よりも短い時間を記録させることは、あってはならないものと認識しており、通知や資料を発出するとともに、校長会議などでその周知に努めてきた。
道教委では、特定の道立学校で対照実験や試行を行い、学校現場の意見を聞きながら出退勤管理システムを構築し、その適切な運用に努めているが、出退勤管理システムの打刻前後に業務を行っている実態が見られるという職員団体の調査結果は承知しており、引き続き、教育庁職員が学校を訪問し、管理職や現場の教職員から実態を聴取した上で、組織マネジメントが適切に行われるよう促していく。
また、在校等時間の適切な計測、記録については、全ての教職員が安心して行うことができるよう、その手法も含めて、あらためて管理職に指導助言を行うこととし、各学校における働き方改革の基盤となる在校等時間の正確な計測、記録の徹底を図っていく。
◆教育のデジタル化
Q真下議員 知事は道庁のデジタル化として、全職員にスマホ1万6000台を支給する一方、教育庁においては、高校の新1年生に必要となるコンピューター端末には自己負担を求め、希望する生徒1万3000人分のみ貸与準備を進めている。
知事が進めるデジタル化における公平性というものをどう説明するのか、知事および教育長の見解を伺う。
全国では、コンピューター端末の設置者負担を原則としているのが24府県となり、保護者負担を原則としている23都道府県を上回った。コロナ下でオンライン授業を進める本道において、子どもの権利に照らすと、公平性に反し、教育を受ける権利を保障しているとは言えないのではないか、教育長の見解を伺う。
公費負担できる府県と、拒否する道教委の違いはどこにあるのか。道教委は思い切って公費負担に踏み切るべきと考えるが、見解を伺う。
A中島総合政策部次世代社会戦略監 教育課題に関し、デジタル化について。暮らしや産業など、社会全体のデジタル化を進めていくに当たっては、年齢、性別、経済的な状況、地理的な制約等にかかわらず、また、デジタル機器やサービスの取り扱いに慣れていない方々なども含め、デジタル化の恩恵を広く享受できる環境を整備していくことが重要である。
今般の道立高校における1人1台端末の導入に当たり、道教委では、端末の所有が困難な生徒に対して、学校所有の端末を貸し出すなど、経済的な事情等への配慮を講じた上で実施するものと承知しているところである。
A倉本教育長 道立高校の1人1台端末について。新たな学習指導要領においては、情報活用能力が学習の基盤となる資質、能力に新たに位置付けられており、今後、全ての生徒がその能力を確実に身に付けることができるようにするためには、生徒一人ひとりが、教科書や辞書などと同様に、タブレットなどのICT端末を利用して、多様な学習活動を展開する必要があると考えている。
道教委としては、個人所有の端末を持ち込む方法によって、1人1台端末の導入を進めることとし、端末の所有が困難な生徒については、学校が所有する端末等を貸し出すなど、経済的な事情などへの配慮を十分講じながら、道立高校における学びの充実を図っていく。
最後に、高校における1人1台端末の費用負担について。各学校では、教科書や電子辞書等の教材に係る経費は、これまでも保護者の方々の理解を得ながら私費負担としており、端末もこれらの教材と同様に自己負担とし、端末の購入が困難な世帯等に対してきめ細かく対応するため、4年度に向けて、生徒に貸与できる学習用端末を整備するとともに、各学校に対し、入学時に必要な物品等の精選を行い、家庭の負担軽減を図るよう指導している。
道教委としては、学校のICT環境を持続していくためには、更新時の財源確保も考慮して進める必要があり、国から恒久的な財源が示されていない中で、全高校生分の端末整備は難しいものと考えており、引き続き、国に対し必要な財政支援を強く求めていく。
Q真下議員 高校のコンピューター端末の所有が困難な生徒について、貸与に当たって、家庭の経済状況や様々な事情を学校に説明しなければならないようでは、言い出せない事情のある生徒にとっては全く不公平な運用となる。
私は、公費負担を主張するが、せめて貸与を希望する生徒が等しく使用できるよう運営すべきと考えるが、見解を伺う。
A倉本教育長 道立高校のコンピューター端末などについて。道教委が来年度に向けて整備した約1万3000台の端末については、高校生等奨学給付金制度の対象となる生徒への貸与を目的としているが、家計が急変した世帯など、家庭の事情等がある生徒に対しても貸与を行い、生徒の学びを保障することは重要であると認識している。
このため、道教委では、道立学校学習用パソコン等貸付要項を策定し、校長の判断のもと、生徒の心情に配慮しながら、様々な事情等によって端末を用意できない生徒に対して、入学手続時などにその他の関係書類と合わせて提出するなど、貸与の希望を申請できる仕組みを構築することとし、各学校において、全ての生徒が個別最適な学びや協働的な学びを実現することができるよう努めていく。
(道議会 2022-08-19付)
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