函館巴中CSと函館中部高 中学生の意欲向上に一役 高校生延べ140人が学習支援(学校 2022-08-16付)
マンツーマンまたは2対1で中学生に勉強を教えた
【函館発】函館市立巴中学校(佐藤雅博校長)学校運営協議会(CS)と函館中部高校(佐竹卓校長)は、高校生がボランティアで中学生に勉強を教える「学習サポート会」を平成30年度から実施している。1日から2日間で延べ140人の高校生が学習支援ボランティアとして巴中に集まり、中学生を個別指導。中学生は学習意欲の向上に、高校生は自身の成長や教職を志すきっかけにつなげている。
学習サポート会は巴中が開校した平成30年にCS委員と函館中部高が企画し、ことしで5年目を迎えた。1㌔以内に位置する両校の近い距離感を生かし、夏季・冬季休業期間中の年2回開催している。
今回は延べ140人の高校生が参加。170人の中学生に対し、2、3人のペアで数学や理科、英語の勉強を教えた。
高校生は中学生の苦手教科に応じて指導者を決めるなど臨機応変に対応。中学生は家庭から持ち寄った学習ドリルやテストの解答で分からなかった問題について「英文和訳が分からない」などと質問。「前後の単語の意味を考えてみよう」「“~来る”は英語でなんて言うか思い出して」などと声をかけ、勉強方法をアドバイスしたり、進路相談に応じたりしていた。
2日目に参加した2年生の内藤優未さんは「優しく教えてくれるので、自分のペースで質問しやすい」と話し、高校生の指導に耳を傾けていた。
高校生にとっての利点も多い。取組の企画に携わる函館中部高の弦木裕教諭は「サポート会に向けて事前に指導法を考えて臨む生徒が多い。こうした形のボランティアは高校生の自己肯定感や主体性の向上につながり、得るものが大きい」と話す。
また、教えることの楽しさや、やりがいを感じて教職を志す生徒が増えているという。函館中部高2年の松本心さんは「教えることは難しいけど“分かった”と言ってもらえるとうれしい。教員の道を目指すのもいいなと思った」と笑顔を見せた。
CS活動の企画・立案や地域との連絡調整を行う地域コーディネーターの吉村小織さん(巴中CS委員)は「距離感を生かした取組は地域の学校がつながる良い機会。卒業生が函館中部高に入学し、学習サポート会に来てくれることで取組の継承にもつながっている」と話している。
(学校 2022-08-16付)
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