札幌市スポーツ推進審議会が初会合　共生社会実現など鍵に　次期計画策定へ方向性確認

（札幌市 2022-08-30付）

　第２９期札幌市スポーツ推進審議会の初会合が２５日、ORE札幌ビルで開かれた。次期スポーツ推進計画策定に向けた方向性として「多様なニーズを捉えたスポーツ環境整備」「スポーツを通じた共生社会の実現」「スポーツを支える環境の充実」など６項目を確認。５年度後半の策定を目指すことを申し合わせた。

　市スポーツ推進計画は、今後１０年間のスポーツ施策の在り方を示すもの。現行計画は平成２５年度からの１０年間としていたが、令和元年度には市が冬季五輪招致を表明したことから、計画を一部見直していた。

　次期計画策定に当たっては、超高齢化社会の進行や共生社会実現へのニーズの高まり、新型コロナウイルス感染症の流行に伴うスポーツの価値の再確認など、社会情勢の変化を考慮。冬季五輪招致の動向や、国がことし３月に示した第３期スポーツ基本計画などを踏まえたものとする。

　初会合には、委員１０人が出席。梅田岳スポーツ局長はあいさつで、ことし市制１００年を迎えたことに言及し「つぎの１００年が魅力と活力にあふれ、市民が健康で生き生きと過ごすためには、スポーツの力が不可欠」と述べ、委員それぞれの立場に基づいた活発な意見を求めた。

　会長・副会長互選では、会長に北翔大学の黒田裕太准教授、副会長に札幌市体育振興会連絡協議会の明石久枝副会長を選出した。

　議事では、事務局が次期計画策定の考え方について説明。現在策定作業が進んでいる第２次まちづくり戦略ビジョン案の基本目標に示された「世界屈指のウインタースポーツシティ」「四季を通じて誰もがスポーツを楽しめるまち」や、冬季五輪大会概要案を踏まえ、①多様なニーズを捉えたスポーツ環境整備②スポーツを通した健康増進③スポーツを通じた共生社会の実現④スポーツを支える環境の充実⑤スポーツによる経済・地域の活性化⑥みるスポーツ文化の醸成―の６項目を方向性に挙げた。

　また、市民・スポーツ団体を対象としたアンケート内容を確認。市民４０００人を対象とした抽出調査においては、運動・スポーツ実施状況や障がい者スポーツとの関わりなどについて調査する。スポーツ団体については、運動・裾野拡大に関する取組や課題、他競技との連携・協働、競技力向上に向けた取組事例などを盛り込むことを決めた。

　アンケートは近く市民や関係団体に送付し、９月下旬以降に結果を取りまとめ、年内の第２回会合で報告する。

(札幌市 2022-08-30付)