命大切にする優しさを　札幌琴似中　道徳科授業　ドクターヘリ操縦士が講話

（札幌市 2022-08-31付）

荒川さんの話に真剣に耳を傾ける生徒たち

　札幌市立琴似中学校（三浦英悟校長）は２６日、命をテーマにした道徳科の授業を行った。ドクターヘリのパイロットを務める荒川昭儀さんが登壇し、１年生約２４０人を前に講話した。生徒たちは、救急現場の最前線で活躍する荒川さんの話を通じて、命の大切さを学んだ。

　道徳科の授業の一環で、命の大切さについて考えてもらうことがねらい。

　講師を務めた荒川さんは、航空関係事業を手がける朝日航洋（株）（東京）のパイロットで、長年、映画やＣＭの空撮や報道ヘリの運航などに携わっている。ドクターヘリの操縦担当は８年ほどになる。　

　１年生を前に「みんなが一人のために～命をつなぐドクターヘリの現場から」と題して講話した。

　ドクターヘリの役割について紹介。初期治療を素早く開始できることや、地域医療格差の解消に役立つことなどを説明した。

　基地病院・旭川赤十字病院の屋上のヘリポートからフライトドクターとフライトナースを乗せて、救急現場に向かう実際の様子を撮影した動画を上映した。

　荒川さんは「一人の命を救うために、大勢の人が全力を尽くしている」と話し、過疎地域で急病人や負傷者が発生した緊迫した状況の中でも、医師や看護師、パイロットのほかにも、運航管理を担うＣＳ（コミュニケーション・スペシャリスト）や救急隊員が協力していることを説明した。

　最後に「人は支え合いながら生きていく。まずは自分の命を大切にし、もし、事故現場に遭遇したら進んで声をかけられる優しい人になってほしい」と呼びかけた。

　授業を受けた山北竜之介さんは「一人のために力を合わせる姿から、命の貴さをあらためて感じた」と話した。

(札幌市 2022-08-31付)