札幌市子どもアシストセンター　３年度相談７.５％増９４８件　調整活動増加　内容が複雑化

（札幌市 2022-09-01付）

相談内容の上位５項目（クリックすると拡大表示されます）

　札幌市子どもの権利救済機関「子どもアシストセンター」は、３年度の活動状況をまとめた。相談件数（実数）は９４８件で、前年度比７・５％増だった。問題解決に向けてセンターが調査や関係者の調整を行う「調整活動」を行った件数も増えており、相談内容が複雑化している様子がうかがえる。

　同センターは、１８歳未満の子ども本人や保護者から、いじめや暴力、友人・親子関係などに関する相談をラインや電話、メール、面談で受け付けている。

　３年度に寄せられた相談は計９４８件で、子ども本人からの相談が約６割を占めた。次いで、母親が３０６件（３２・３％）だった。相談者や内容の重複も含めた延べ件数は２８８６件。

　子どもからの相談方法をみると、ラインが最多の７２４件でおよそ半数を占めた。ライン相談は２年度から通年実施しており、同センターによると「子どもにとって気軽に相談できる手段になっている」という。

次いで電話３５６件（２３・７％）、メール３３９件（２２・５％）、面談８５件（５・７％）だった。

　中学生からの相談が最も多く、内容別では、友人関係が２５３件と最多。精神不安１９７件（１３・１％）、親子・兄弟関係１８６件（１２・４％）と続き、例年と同様の傾向だった。

　大人からの相談内容は、子どもと教師の関係が１６９件（１２・２％）、不登校１４２件（１０・３％）だった。

　また、調整活動を行った件数は、前年度比１３件増の３２件。調整先は学校１８件が最も多かった。児童相談所を調整先とする案件も１５件あり、このうち４件は児童虐待が疑われるとして、児相に虐待通告した。このほか市教委３件、病院や放課後等デイサービス、道警など「その他」が１５件と多岐にわたった。

　調整を必要とする事案は、子どもと学校の関わり方、虐待、子どもの発達や性に関する問題などがあり「背景が複雑なものが多く、深刻なケースが増えている」としている。

　同センターでは今後、例年４月ころに児童生徒に配布している電話番号を記した相談カードを、秋にも再度配布する予定。「年間を通した切れ目のない広報活動を行い、相談体制を整えたい」としている。

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(札幌市 2022-09-01付)