文科省指定 登別青嶺高が研究授業 「公共」で少年法改正考える 弁護士が主権者教育に参画(学校 2022-09-01付)
【室蘭発】文部科学省の「実社会との接点を重視した課題解決型学習プログラムに係る実践研究」の実践校である登別青嶺高校(坪井克彦校長)は8月22日、同校で主権者教育の研究授業を行った。現職の弁護士が講師となり、少年法改正による実名報道の在り方などを考察する授業を展開。生徒たちは疑問点などを出し合いながら考えを深めた。
同事業は、現代の諸課題を追究・解決する活動を通じて主権者として必要な資質・能力を育む教科等横断的な学習プログラムや新科目「公共」の単元計画の開発を行うもの。
事業期間は2年間。全国で小・中学校、高校9校が指定を受け、同校は道内で唯一の実践校となっている。
同校は、目指す生徒の姿として「現実の社会を見据え、自ら地域の課題を追究したり、他者と協働して解決に向け構想を立て実行したりするなど、主権者として必要な主体的に社会に参画するための資質・能力を身に付けた生徒」を掲げて研究を推進。
この日、文科省から初等中等教育局教育課程課教科調査官、国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官の飯塚秀彦氏ら一行と道教委の関係者が同校の授業の様子をオンラインで視察した。
授業は1学年「公共」の単元「主として法に関わる事項」の全4時間の2時間目で、授業者は杉江和樹教諭。北海道みらい法律事務所の増川拓弁護士を外部講師として招き、少年法の改正による実名報道について考察する授業を行った。
はじめに増川弁護士が、少年法と改正の要点を説明。生徒は疑問に思ったこと、調べたいことを整理して共有した。
続いて「突然身に覚えのない覚醒剤の所持容疑で逮捕された場合」などの事例をもとに、裁判官として与えるべき罰則や理由について考察。事案の背景を詳述した資料をもとに被害者や関係者の立場を確認し、考えをまとめた。
文科省の飯塚調査官は、専門家や関係機関との連携・協働に関するノウハウが少ない状況にある中「登別青嶺高校が得た知見は、必ず多くの教員の参考になると思う」と強調。北海商科大学の堂徳将人教授をはじめとする道教委の公民科サポートチームの体制をたたえ「他の自治体でも参考にしてほしいところ」と語った。
(学校 2022-09-01付)
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