札幌市　インクルーシブ遊具　来春 農試公園で導入　車いすのまま利用可７種類

（札幌市 2022-09-06付）

インクルーシブ遊具を設置した広場のイメージ図

　札幌市は来春にも、障がいの有無や身体能力にかかわらず誰もが遊べる「インクルーシブ遊具」を導入した広場を、西区の農試公園にオープンする。市内での大規模な導入は初めてで、車いすのまま利用できる大型複合遊具など７つの遊具を設置。市担当者は「全ての子どもが仲良く遊べる場になれば」としている。

　インクルーシブは「包み込む」「包括的」を意味する言葉で、インクルーシブ公園は、障がいの有無にかかわらず楽しめる遊び場や遊具を備えた公園。２年に東京都立砧公園内に整備されたことで注目され、各地で導入に向けた動きがある。

　市内では、農試公園の老朽化した施設や遊具の更新に合わせて、約４０００平方㍍の広場に整備する。

　車いすに乗ったまま上れるスロープやデッキと滑り台などを組み合わせた大型の複合遊具や、乗り降りがしやすく、姿勢保持が難しい子どもでも遊べる皿状の回転遊具、ドーム状で中に入って落ち着くことができる遊具など７種類。近隣の子どもたちや障がい者団体の意見を取り入れて決定した。

　いずれも、色弱や色盲の子どもでも認識しやすい鮮やかな色使いで、一部の地面は転倒してもけがのリスクを軽減できるクッション性の優れたものにする。

　また、配慮が必要な子どもがいることを知らせる看板を設置したり、足元に遊具の順番待ちを誘導する目印を付けたりする。

　事業費は約２億４８００万円。１２月中にも工事を終え、来年の大型連休に合わせてオープンする予定。

　市建設局の担当者は「障がいのある人もない人も関係なく、全ての子どもが仲良く遊べる場になれば」と期待している。オープン後は、利用者に使い勝手など意見を聞き、今後の公園整備の方針に取り入れる。

(札幌市 2022-09-06付)