札幌市　市有建築物ＺＥＢ化へ調査　光陽小と発寒中で実施　省エネ等検証し次年度以降に

（札幌市 2022-09-07付）

　札幌市環境局は、市内の小・中学校２校を対象に市有建築物のＺＥＢ（ネット・ゼロ・エネルギー・ビル）化に向けた調査を実施する。改築を予定している光陽小学校と発寒中学校の図面等を利用し、効率的な省エネ計算方法の検証、費用対効果の高い手法の検討などを行う。次年度以降、学校をはじめとする他の建築物にも適用していく考えだ。

　ＺＥＢは、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した建築物。

　市では、３年３月に策定した市気候変動対策行動計画で、市有建築物の新築・改築や大規模改修においてＺＥＢ化を進めるとしている。

　一方、ＺＥＢ化に向けた省エネ性能の把握については、標準入力法による省エネ計算が推奨されているが、市有建築物ではその確認が行えておらず、ＺＥＢ化の判断が難しい状況となっている。ＺＥＢ化に必要な手法の費用対効果の検討も行えていない現状がある。

　そこで、ＺＥＢ化に必要な費用を含む設計検討および省エネ計算について、実際の建築物の図面等を利用し調査・検証を実施することとした。

　施設数やエネルギー使用量などを考慮し、今後、他の建築物でも参考にできるよう学校を対象施設に調査する。改築を予定しており、既に実施設計が完了している中から光陽小と発寒中の２校を選定。標準入力法におけるより効率の良い入力方法について効果を検証していく。

　また、省エネ計算結果から、ＺＥＢ　Ｒｅａｄｙ基準（基準一次エネルギー消費量から５０％以上の一次エネルギー消費量削減に適合した建築物）に合致するために必要な手法を比較検討。その中でより費用対効果が高い手法を提案する。

　建物や窓の断熱性向上、冷房の空冷ヒートポンプエアコン化、暖房のガスＦＦストーブ化、照明のＬＥＤ化、太陽光パネル設置などを視野に入れている。

(札幌市 2022-09-07付)