日本河川教育学会十勝大会 生活と自然の関係学ぶ 帯広豊成小で授業公開や研究発表(関係団体 2022-09-06付)
3年生の公開授業では川の水生生物を捕獲・観察
【帯広発】日本河川教育学会(金沢緑会長)は8月22日、帯広市立豊成小学校(岸梅哲郎校長)で第2回全国河川教育実践研究会十勝大会を開いた。道内外から教育関係者ら190人が参加。同校敷地内を流れる機関庫の川を活用し、キャリア教育に位置付けて展開する河川教育に関して、授業公開や研究発表等を実施した。
大会テーマおよび研究主題は「機関庫の川から学ぶ自分たちの生活と自然環境のつながり」。同校は、校舎敷地内を流れる十勝川水系の機関庫の川を活用し、キャリア教育を基盤とした6年間のカリキュラムを作成することで、自身の生活と自然環境のつながりを意識付ける教育活動を展開している。前年度には、河川財団による助成事業「学校部門」の文部科学大臣賞を受賞した。
この日、3年総合的な学習の時間を1次、4年社会科、5年・6年理科を2次とし、川や水に関する授業を公開した。
うち1次公開は単元「機関庫の川と友だち」において、機関庫の川から児童が水生生物を捕獲し観察した。管内企業によるボランティア団体で、水辺体験学習支援を行うNPO法人十勝多自然ネットが協力。
児童たちはドジョウやヤマメなど数種類の生物を捕る中で、ザリガニが最も多く生息していることを発見。協力者たちは、機関庫の川にはウチダザリガニが繁殖しており、水温などの関係で生息しやすい環境が整っていることを伝えた。児童がウチダザリガニの餌について質問すると「枯葉や貝類などを食料としている」と回答。
また、ウチダザリガニは外来種のため、繁殖を防ぐ必要があることを示唆。市販のザリガニは外来種の場合が多いため「買わない・捨てない・他の川に広げない」よう呼びかけた。
児童たちは、協力者の教えから得た知識や、水生生物を観察する中で気付いたことを発表した。
開会式では、金沢会長があいさつ。水に関連する事項は「日常生活に深く根差し、社会経済活動の維持・発展を支える上で最も重要」と強調。「主体的な学びを身近な生活に必要な自ら得ることができる大切な学習」と河川教育の必要性を述べた。
研究発表・協議のあと、国立教育政策研究所名誉所員の角屋重樹博士が「学習指導要領とこれからの河川・水教育」と題して講演した。新学習指導要領の構成から資質・能力の育成方法について解説。河川教育に関しては、河川や水を対象にした教育活動によって育成される力の解明が必要となることを伝えた。
(関係団体 2022-09-06付)
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