釧路校長会、釧路市小中校長会 組織力生かし課題解決 教育経営研で2校長が提言(関係団体 2022-09-02付)
森口校長
【釧路発】釧路校長会(佐藤毅会長)と釧路市小中学校校長会(本川敬一会長)は8月25日、オンラインによる釧路地区教育経営研究会を開いた。管内の小・中・義務教育学校の校長84人が参加。学校運営上の諸課題について、全道の情勢および釧路地区の実情を交流し、校長としての資質・能力の向上を図った。
開会に当たり、主催者を代表して佐藤会長があいさつ。様々な教育課題に対し、校長の強いリーダーシップが求められるとした上で「素早い判断力や決断力、先を見通した経営戦略など、難しい課題に直面したときこそ校長会の組織力を生かし、相談・協力し合うことで、どの学校も同様の教育成果を上げていくことが大切」と呼びかけ、大会が一人ひとりのスキルアップを図る機会につながるよう期待を寄せた。
開会式に引き続き、リモートでの参加となった道中学校長会の野﨑均会長、小泉寧幹事、道小学校長会の下山弘美幹事が情勢報告。参加者からの質問に回答するなど、道内の教育情勢について共通理解を図った。
このあと、釧路町立知方学小学校の森口暢宏校長と釧路市立桜が丘小学校の土居慎也校長が提言。学校運営上の諸問題について、状況を確認し、対策等について意見を交わした。
森口校長は「教員の資質・能力の向上を目指す研修活動における校長の役割について~初任段階教員の育成を中心に」と題し提言。
教員に求められる資質・能力や、町内9校の初任段階教員(5年目以下)を対象とした授業づくりや校内研修に関するアンケートの結果分析を中心に考察。
授業づくりや評価について、初任段階教員の悩みや課題を浮き彫りにした上で具体策を提案。教材研究の仕方や指導案作成などは、他の教員の授業参観を増やし、先輩教員の助言を聞く機会を設けるなど、意図的に指導力の継承や向上を図る必要性があることを強調した。
校長の役割として、メンター研修や他の教員との関わり、日常の観察などを提示。教員のやりがいである児童生徒の成長実感や成功体験のため、管理職は研究と修養に励む必要性を示すとともに、その支援を絶えず続けなければならないとした。
つぎに、土居校長は「小中連携プロジェクトの取組~子どもの学力向上をめざして」と題し、釧路市の小中連携に関する取組を中心に提言した。
道教委指定の「学校力向上総合実践事業」に係る中学校区4校(中1校・小3校)での取組を紹介。小中連携は、主に小1プロブレムや中1ギャップの解消に重点が置かれる中、学力面からもアプローチ。毎月、4校の校長が校長連携協議会を開き、進捗状況を確認。中学校英語教員との連携による「小中連携CanDOリスト」の作成や出前授業、4校合同研修会の開催など、教員間交流による学力向上の成果などを示した。
また、「釧路市立学校における小・中ジョイントプロジェクト」は、9年間の義務教育期間を一つの学びの場として捉え、効果的な指導体制を整えていく取組であるとし、円滑な接続を目指して、学力向上や生徒指導上の課題解決に向け動き始めているとした。
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土居校長
(関係団体 2022-09-02付)
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