道研連 第17次共同研究発表会 見通し持ち満足感向上 単元を見える化し子と共有(関係団体 2022-09-08付)
道教育研究所連盟(道研連、委員長・櫻井良之道立教育研究所長)は2日、オンラインで第17次共同研究発表会を開催した。「学びに向かう力の育成に向けた指導と評価の在り方」を研究主題とした3年次計画3年目の成果を交流。「指導案バンク」の開設や、単元の計画やゴール(何ができるようになれば良いか)を見える化し、子どもと共有することで、子どもが見通しや目標を持て、学習の満足感も高まったことが成果として挙がった。
本年度は、全国教育研究所連盟研究協議会(北海道大会)が10月に開かれ、第77回北海道教育研究所連盟研究発表大会(札幌大会)と兼ねて開催することから、第17次共同研究の成果を発表する機会として同発表会を設定した。
全道からオンラインで約40人が参加。はじめに事務局が第17次共同研究の概要と成果について説明。
研究主題「学びに向かう力の育成に向けた指導と評価の在り方」に基づき①学びに向かう力の育成に向けた学習指導②主体的に学習に取り組む態度を見取る学習評価―の2点について進めてきたことを述べた。
また「指導案バンク」を道研連のホームページに設置し、2年1月から運用を開始。各研究所や研修センター域内の学校の実践を収集し、実践に基づいた単元の指導計画やワークシート、評価の実際を計20事例作成できたことや、評価の場面を精選した指導計画を構想したことにより、指導と評価の一体化がなされ、教職員の負担軽減や授業観の転換が図られたことを成果として挙げた。
また、ルーブリック(成功の度合いを示す数値的な尺度あるいは評語と、それぞれの数値や評語に見られる認識や行為の質的特徴を示した記述語からなる評価基準表)を作ることで、教師の指導の方向性が明確になり「評価の方針を子どもと共有することで、子どもが見通しや目標を持ったり、振り返りが充実したりし、子どもの学習への満足感が高まった」ことを成果として挙げた。
続いて、後志教育研修センターと留萌管内教育研究所が第17次共同研究に基づいた実践発表を行った。
このうち、後志教育研修センター研修部長の原田益明氏は、倶知安町立倶知安小学校の「単元計画の共有とゴールの見える化」「学習評価の児童との共有」を図った実践を紹介。
「円の面積の計算による求め方を理解する」など、単元のゴールを見える化し、そこまでに何ができるようになればいいかも児童と共有。「1単位時間ごとの振り返りで何ができるようになったか、子どもが自分で学びを実感できる」「どの学年・どの学級でもこの方法が活用できる」とメリットを述べた。
また、指導に生かす評価について、国語の「一つの花」で、感想文を書く実践では、初めは1、2行しか書けなかった子が、ジャムボードに上げた他の子たちの考えを参考に交流することにより、お母さんの視点だけでなく、様々な視点で書けるようになるなどの成長を遂げたことを述べた。
さらに、域内に授業改善を広げる取組として、研修講座で所員が授業公開し、若年の教員には分かりやすいよう学習指導案にポイントを吹き出しの形で提示。学習計画や評価を子ども向けの言葉にして共有する例や、ルーブリック評価の実際について説明したこと、後志版の指導案バンクの内容についても紹介した。
最後に、事務局から第18次共同研究(5~7年度)について「テーマに関するアンケートを実施し、11月の第3回共同研究推進委員会で内容を検討。5年2月の連盟委員会で概要を提案する」と伝えた。
(関係団体 2022-09-08付)
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