渡島・檜山で高校生心身向上セミナー　自分と向き合うことから　道教委　各分野専門家が解説

（道・道教委 2022-09-08付）

檜山会場には約３０人の高校生が集まった

　【函館発】道教委の高校生心身強化セミナー事業・高校生フィジカル＆メンタル向上セミナーが３日に江差高校（檜山会場）で、４日に函館中部高校（渡島会場）で開かれた。渡島・檜山管内の運動部に所属する生徒約８０人が参加。各分野の専門家がけがの防止方法やモチベーションを高める思考力などについて解説し、試合等で力を発揮するための効果的なトレーニングメソッドを紹介した。

　セミナーは、スポーツに励む高校生が、コロナ禍においても部活動の大会などでベストパフォーマンスを発揮できるよう、けがの予防に資するセルフケアや競技力を高めるメンタルの維持・向上、トレーニングと栄養補給の方法などを提供するもの。

　３日の檜山会場には、管内の高校生約３０人、４日の渡島会場には約５０人が参加。「身体のセルフケア」「競技力を高めるモチベーション　メンタルの維持・向上」「トレーニングと栄養補給」の３分野で専門家による講義を受講した。

　うちメンタルの維持向上はコンディショニング・ラボ代表でスポーツメンタルトレーナーの吉田聡美氏が講話した。

　「メンタルトレーニングは自分と向き合うことから始まる」とし、参加者に普段の練習で意識していることを質問。バレーボール部に所属する生徒による「無回転サーブを打てるように練習している」との回答に対し「具体的にどのように技術を上げたいのかを意識している」と評価した。

　モチベーションの向上については「自身の限界を知ることや、やる気レベルを振り返ることが大切」とし、自身と向き合う必要性を強調。「できなかったことが、できるようになることでやる気がアップする」と呼びかけた。

　また、努力を認めると意欲が高まる傾向にあると分析。「試合後は反省点だけではなく、必ず良い点を振り返ると気持ちもパフォーマンスも安定し、勝利につながる」とアドバイスした。

　感情のコントロールについては、自分の感情を認め、理解することの必要性を指摘。「どんな感情を抱いているのか」「誰に向けているのか」「感情の度合い」の３点を理解した上で行動に移したり、相手に感情を伝えたりするなど、感情識別能力を明確に持つよう促した。

　セミナー後、江差高バスケットボール部に所属する武藤耀さん（１年生）は「気分が上がらないときもあるので、感情のコントロールに関する講話が勉強になった。部活動で力を発揮するために、今後実践してみたい」と話した。

(道・道教委 2022-09-08付)