札幌琴似小　おとどけアート　視点広げ日常を面白く　写真家クスミさんと交流

（札幌市 2022-09-15付）

作品を鑑賞しながら交流するクスミさんと児童ら

　アーティストが“転校生”として小学校を訪れ、児童と創作活動に取り組む札幌市の「おとどけアート事業」が８月２９日にスタートした。５日には、フォトグラファー・美術家のクスミエリカさんが市立琴似小学校（荒井亮子校長）に登校。児童らは、クスミさんと交流しながらデジタルコラージュ作品を鑑賞した。

　事業は、市の子どもの文化芸術体験事業の一環として小学校を対象に平成２０年から実施しているもの。アーティストが小学校の空き教室などをアトリエに創作活動を実施し、児童が自由に訪れ交流を深める。本年度は琴似小をはじめ、藤野南小学校、伏古小学校の３校で実施する。主催はＡＩＳプランニングが事務局を務めるおとどけアート実行委員会。

　先月から琴似小で活動しているクスミさんは、自身が撮影した植物や動物、建築物などの写真素材にデジタル処理を施す「デジタルコラージュ作品」を制作している。

　５日は、ライラックやサクラなどの植物と船を組み合わせて、春から初夏にかけて花々が一斉に咲き誇る様子を表現した「船出の祝祭」など作品３点をアトリエの図工室に展示。休み時間になると児童らが続々と訪れ、作品を鑑賞した。

　児童らは「どうやって作ったの？」「どこで撮った写真？」などと積極的に質問し、クスミさんと交流を深めた。

　クスミさんは１２月ころまで登校する予定。「視点を広げれば、世界の見え方が変わり、日常が面白くなることを子どもたちに感じてもらえれば」と話しており、今後は、児童から学校周辺や通学路でお気に入りの場所や面白いと感じるものを探してもらい、それらを組み合わせた作品を制作する計画を立てている。

(札幌市 2022-09-15付)