本道の特別支援推進へ新方針　校種越え　全教員専門性向上　道教委　１５日から意見公募

（道・道教委 2022-09-15付）

　道教委は来年度から始まる新たな特別支援教育に関する基本方針素案をまとめた。「多様な学びの場の充実」など４点を柱に本道における特別支援教育の方向性を記載。全ての教員の専門性向上を掲げ、新規採用職員が１０年目までに特別支援教育を経験する方策や校種を越えた人事交流の在り方を検討する方針を示した。きょう１５日からパブリックコメントを開始する。

　方針は、道総合教育大綱や道教育推進計画の理念、施策の方向性に基づき、本道における特別支援教育を推進する基本的な考え方を示すもの。

　計画期間は５～９年度の５年間。

　特別支援教育の充実に向けた柱は①多様な学びの場の充実②幼児期から学校卒業後まで切れ目のない一貫した指導・支援の充実③特別支援教育の質の向上④特別支援学校の教育環境の整備―の４点。施策項目ごとに現状と課題、今後の方向性を示しており、市町村教委や学校での活用を図るため、施策の主な実施主体を「道教委」「地教委」「学校等」別に記載している。

　特別支援教育の質の向上に向けては、全ての教員に対する特別支援教育の基本的な知識の習得や特別支援学校教諭免許状の保有率向上などの方向性を示した。

　具体的な施策として、新規採用教員が概ね１０年目までに特別支援学級や特別支援学校の教員を経験する方策や、小・中学校、高校と特別支援学校との人事交流の在り方を検討する。

　ＩＣＴの一層の活用を図るため、特別支援学校におけるＩＣＴ機器の整備、研修の充実、学校間で実践や課題を共有する体制整備を推進。

　医療的ケアへの対応では、看護職員の配置や教職員に必要な研修の実施などの体制整備を掲げ、送迎や付き添いの長期化など保護者負担の軽減を図るため、市町村教委・保健福祉部局等と連携して対応方策を検討するとした。

　１５日から１０月１４日までパブリックコメントを行い、議会や教育委員会での議論を経て原案を作成。５年３月の教育委員会で決定する。

(道・道教委 2022-09-15付)