道教委　高校づくりで新指針　１学年「４～８学級」削除　入学者確保へ集中取組期間も

（道・道教委 2022-09-13付）

　道教委は「これからの高校づくりに関する指針」改定版素案を１２日の文教委員会で示した。現行指針で望ましい学校規模としていた「１学年４～８学級」の記載を削除。複数の高校が所在する市町・圏域で高校配置の在り方を検討するなど新たな方針を示している。地域との連携や医療・福祉を担う人材育成の観点から、地域連携特例校や農業、水産、看護、福祉に関する学科を設置する小規模校では高校の特色化・魅力化に取り組む「集中取組期間」を設定し、再編整備を留保する。

　同指針は高校を取り巻く環境の変化に対応して未来を担う人材を育む教育機能の維持向上を図るため、高校づくりの基本的な考え方と具体的な施策を示すもの。適用時期は８年度からで可能な施策は５年度から実施する。

　構成は①指針改定の趣旨等②地域とつながる高校づくり③活力と魅力のある高校づくり④公立高校配置計画⑤教育諸条件等の整備―。

　内容をみると、地域と密接に結び付いた地学協働の推進に向けた施策としてコミュニティ・スクールの導入、地域と共に高校づくりを考える仕組みの構築、道高校遠隔授業配信センター（Ｔ―ｂａｓｅ）の機能強化などを盛り込んだ。

　各学科の基本的な考え方では、普通科における「学際領域」「地域社会」など新学科設置の推進やアンビシャススクールの導入校の拡大など、活力と魅力のある高校づくりに向けた方針を明記した。

　高校配置の基本的考え方として、複数の高校が所在する市町や一定圏域において関係市町村の参画のもとで高校の役割分担や具体的な配置の在り方を検討する方針を示した。

　望ましい学校規模としていた「第一学年４～８学級」は削除。第１学年１学級の高校では、２年連続で１学年の在籍者数が２０人未満となった場合に再編整備を行う。

　一方で、地域との連携や医療・福祉を担う人材育成の観点から、地域連携特例校と農業・水産・看護・福祉に関する学科の設置校では高校の特色化・魅力化に取り組む集中取組期間を設定。２年連続で２０人未満となった場合でも再編整備を一定期間留保する。期間経過後も生徒数の増加が見込まれない場合または期間中でも第１学年の在籍者が２年連続で１０人未満となった場合は再編整備を進める。

　このほか、離島の高校では第１学年の在籍者数が２年連続で１０人未満となり生徒数の増加が見込まれない場合、定時制では３年連続で１０人未満となった場合に再編整備の対象とする。

　１０月以降にパブリックコメントを実施。道議会での議論等経て来年の２月までに案をまとめ、年度末に改定版指針を策定する予定。

(道・道教委 2022-09-13付)