道 ヤングケアラー実態調査 小学生4.7%、大学生5.0% きょうだい多く、5時間超も
(道・道教委 2022-09-14付)

 道は、札幌市を除く道内の小学生や大学生、小学校を対象としたヤングケアラー実態調査の結果を12日の道議会少子・高齢社会対策特別委員会で報告した。現在世話をしている家族がいる小学生は4・7%、大学生は5・0%。小学生は「きょうだい」、大学生は「きょうだい」「母」の世話が多く、世話の時間は小学生が1~2時間、大学生は1~3時間が多いが、5時間以上に上る子も共に1割を超えている。

 前年度の中学生・高校生への調査に続き、家族の世話の状況や日常生活への支障、支援のニーズ等を把握し、支援策の検討を行うための資料とするもの。

 調査対象は札幌市を除く道内の公立小学校、義務教育学校に通う5・6年生約5万人と、公立小学校・義務教育学校773校(札幌市を除く)、道内の4年制大学に通う学生約7万人。

 7月12日から27日まで無記名式でアンケート調査を行い、ウェブ環境から任意で回答を得た。有効回答数(回収率)は、小学生1万4063人(29・0%)、大学生1041人(1・5%)、小学校759校(98・2%)。

 主な調査結果をみると、ヤングケアラーについて「聞いたことがあり、内容も知っている」と回答した割合は小学生が21・1%、大学生が63・1%。

 世話をしている家族がいる小学生は4・7%。大学生は5・0%。「過去(18歳未満)にケアをしていた」学生も8・2%に上る。

 世話をしている家族(複数回答)では、小学生は「きょうだい」が67・1%で圧倒的に多く、大学生は「きょうだい」の42・0%に続き「母」が32・8%に上っている。

 世話の頻度は、小学生・大学生とも約半数が「ほぼ毎日」と回答。世話に費やす時間(平日)は「わからない」や「日によって違う」が7~8割を占めるが、具体的な時間数の回答があったものをみると、小学生は「1時間」「2時間」が2割強、「3時間」「4時間」が約1割、5時間を超える子も14・3%に上っている。

 大学生は1時間が29・4%、3時間が23・5%などで、5時間以上は17・7%。

 学校生活の影響(複数回答)を問うと、小学生は「当てはまるようなことはほとんどない」が46・0%。次いで「自分の自由になる時間が取れない」が19・1%、「友達と遊べないことがある」が13・9%、「勉強する時間が取れない」が11・2%など。

 大学生は「学費等の制約や経済的な不安があった」が45・4%で最も多く、「特にない」が32・8%、「受験勉強をする時間が取れなかった」が22・7%など。

 相談の有無については、小学生は8割近く、大学生では約7割が周囲に相談したことが「ない」と回答。その理由について小学生は「誰かに相談するほどの悩みではない」が74・1%で圧倒的に多い。大学生は「誰かに相談するほどの悩みではない」が55・0%で、以下「相談しても状況が変わるとは思わない」が42・5%、「家族のことのため、話しにくい」が31・3%などとなっている。

 周りの大人に支援してほしいこと(複数回答)は、小学生は「特にない」が約7割で圧倒的。大学生も「特にない」が45・4%で最も多いが、「自分が行っている世話を代わってくれる人がほしい」と「自分の自由に過ごせる場所がほしい」が共に31・9%、「学費への支援・奨学金等の支援」が30・3%などとなっている。

 小学校に対する調査をみると、認知度は「言葉を知っており、学校として意識して対応している」が61・5%、「言葉は知っているが、学校としては特別な対応をしていない」が38・2%。

 ヤングケアラーの有無は「該当する子どもはいない」が76・0%、「把握している」が16・1%、「ヤングケアラーと思われる子どもはいるが、実態は把握していない」が7・9%となっている。

(道・道教委 2022-09-14付)

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