小樽市教委　４年度全国学力等調査　中学校国語全国並に　調査開始以来初　授業改善で成果

（市町村 2022-09-26付）

小樽市教委学力調査グラフ（クリックすると拡大されます）

　【小樽発】小樽市教委は４年度全国学力・学習状況調査の結果を公表した。中学校の国語において、平成１９年度の調査開始以来、初めて正答率が全国と並んだ。中学校の理科では全国平均を１・３％下回ったものの、これまでで最も差を縮める結果となった。市教委は「音読の推奨といった授業改善などの取組が、成果として表れた」と話している。

　本年度の調査は、市内の小学校１７校の６年生６２６人と、中学校１２校の３年生６１８人の合計１２４４人を対象に国語、算数・数学、理科の３教科で実施した。

　小学校は、国語の正答率が６３％、算数が６０％、理科が６１％となった。国語、算数は全道をわずか１％及ばず、理科は全国を２・３％下回る結果となった。各領域等の状況をみると、国語の「書くこと」で全道を、「言語文化に関する事項」で全国を上回った。

　中学校では、国語が６９％、数学が４６％、理科が４８％。国語は１９年の調査開始以来、初めて正答率が全国と並ぶ結果となった。数学では全道を３％下回るなど課題が残る結果となったが、理科は全国との差がマイナス１・３％と、今までで最も差を縮めた。各領域等の状況をみると、国語の「話すこと・聞くこと」「書くこと」「情報の使い方に関する事項」で全国を上回った一方、数学では「数と式」「関数」が全国、全道を下回っている。

　市教委の担当者は中学校の国語の結果について「音読の推奨といった授業改善や音読カップなどといった取組が、成果として表れたのでは」と話す。課題となっている算数・数学については「市教委としても算数・数学パワーアップセミナーをオンデマンド形式で実施し、授業改善につなげていく」としている。

　児童生徒を対象に行った質問紙調査では、授業時間以外に読書をする一日当たりの平均時間は全国より多い結果に。ＩＣＴ機器の活用頻度については、週３回以上と回答したのが小学校５４・２％、中学校３７・８％となった。「ＩＣＴ機器を使うのは勉強の役に立つか」の問いに対しては、小学校で９５・４％、中学校で９１・１％が「役に立つ」と回答している。

　授業時間以外の平日の勉強時間は小・中共に全国を下回っており、特に中学校では「全くしない」と回答した割合が全国の２倍以上だった。市教委は今後も家庭と学校が協力し、学習時間の質と量の改善に努める必要があるとし「家庭学習を“学年×１０分＋１０分”以上取り組むなど、具体的な取組を学校全体で実施していく」としている。

(市町村 2022-09-26付)