札教研事業 「秋の研究集会」〈下〉(札幌市 2022-10-17付)
星形五角形の角の和について考えさせた
◆演繹的に推論する授業 信濃中 厚別区中学校数学研究部
厚別区中学校数学研究部会の会場となった信濃中学校(泉雅仁校長)では、2年2組「図形の性質の調べ方 星形五角形の5つの角の和」(田畑智美教諭、生徒数33人)を公開。図形の性質について演繹的に推論する活動を展開した。
同部会は「“個別最適な学び”と“協働的な学び”を一体化させ、主体的・対話的で深い学びに導く授業づくり」を研究テーマに設定し、活動を進めている。
18時間扱いの6時間目となる本時は、星形五角形の先端部分の5つの角の和が180度になることについて筋道を立てて説明する活動を設定。異なる図形でも同じ性質を持つと証明できることを体験させ、演繹的な推論の一般性や良さに気付かせることを目指した。
田畑教諭ははじめに、先端部分の角度が異なる星形五角形を提示。図形を分解して並び替えるなどの方法で5つの角の和が180度になることを視覚的に確認した上で「どんな星形五角形でも同じ結果になるか」と発問し、どのように説明できるか考えさせた。
その際「180度といえば何を想起するだろう」と問いかけ、三角形の内角の和などの既習事項が活用できることを引き出した。また、机間を回りながら解答が進んでいる生徒や困っている生徒に声をかけ、交流につながるよう促した。
全体交流では、事前に指名した生徒数人が三角形の角に着目した方法を説明。また、田畑教諭が1ヵ所に補助線を引く方法などを紹介し多様な考え方に触れさせた。
授業後は研究討議を行ったほか、助言者を務めた東月寒中学校の越田公美校長と市教委教育課程担当課の三浦敦司義務教育担当係長が学習評価について解説した。
◆できる喜び感じる授業へ 八軒中 西区中学校外国語研究部
西区中学校外国語研究部の会場となった八軒中学校(大矢俊明校長)では、3年3組「Unit5 A Legacy for Peace」(水島佳緒里教諭、生徒数34人)の授業を公開した。
中学校外国語研究部の全市共通研究テーマは「“分かった”“できた”“楽しい”を実感しながら、主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする生徒を育てる授業づくりの研究」。西区では「できる喜びを実感できる授業の研究」をテーマに①小学校外国語の授業を生かした授業(指導)の工夫②授業における効果的な1人1台端末の活用法―の2点を重点に研究を進めている。
水島教諭は、本時における学習活動として「関係代名詞Whoを使って自分たちが紹介したい人についての文を考える」と設定した。
冒頭、授業支援ソフト・オクリンクを使い、前時までに学習したWhoの活用方法をおさらいしたあと、「相手に自分の紹介したい人について興味を持ってもらうためには、英語でどのように伝えるのが良いだろう」と提起。人気キャラクターの特徴を記した英文3つを例示し、正しい文で表現することの大切さを気付かせた。
このあと、生徒たちは3、4人グループで3文を使ったクイズを考え合った。簡単な語句や文で説明文を作ることができると確認するとともに、正しい表現や分かりやすい表現の仕方を工夫。関係代名詞の活用方法の定着を図ったあと、オクリンクに自ら考えたクイズのヒントを入力し、発表し合った。
公開授業後は研究協議を行い、授業の振り返りとともに、主体的に学習に取り組む態度の評価方法やデジタル教科書の活用に関して実践交流した。
◆学校力向上へ実践共有 小中合同学校事務部
小中合同学校事務部は、ちえりあを会場に開催した。参集、オンライン合わせて約300人が参加。本年度の研究テーマ「学校力向上に関する学校事務の実践」のもと、4グループが発表。教材室の物品整理や、学校改築等が続く中での引き継ぎで留意するポイントなどを共有し、学校事務職員としての資質向上を目指した。
研究部長を務める八軒中学校の長内雅彦係長が本年度の研究テーマを説明。共同実施のグループの枠を越えたつながりや対話を重視し「学校力向上に資する学校事務職員としての専門性および主体性の育成を目指した」と述べ、4グループの研究成果に期待した。
各グループは、中央小・関澤しおり氏らが「校内環境整備から考える学校力向上」、新琴似中・髙橋愛美氏らが「わかりやすいお知らせを作る研究」、新発寒小・西澤達雄氏らが「学校の働き方改革に関する研究」、発寒南小・名取美咲氏らが「リニューアル改修や改築に関する研究」をテーマにそれぞれ発表した。
関澤氏らは、教材室における物品整理を通して「誰もが使いやすく、分かりやすい配置」「職員の整理整頓の意識高揚」を目指した実践を報告。校内研修会を開き、整理収納のメリットを伝えたり、スローガンを作成し目的を明確化したりするなどの工夫を凝らした。その結果、教材を探す手間が省けたり、埋もれていた教材を発見し授業に生かすことができたりするなどの成果が見られたことを紹介した。
名取氏らは、改修や改築が進んでいる学校での所管業務引き継ぎをテーマに解説。工期が長期間に及ぶため、管理職や事務職員の異動が生じることを踏まえ、基本・実施設計段階での決定事項や留意点などを取りまとめる必要性を訴えた。
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水島教諭による授業を公開した
4グループが研究成果を発表した
(札幌市 2022-10-17付)
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