札幌市学校図書館地域開放協が研修会　読み聞かせで心豊かに　絵本作家かさい氏が講演

（札幌市 2022-10-17付）

１００人が参加した

　札幌市学校図書館地域開放協議会（今野達則会長）は４日、ホテルライフォート札幌で４年度全体研修会を開催した。絵本作家かさいまり氏が「心のゆれを絵本に」と題して講演。かさい氏は、子どもたちが生きていくために必要なこととして「たくさんのうれしさや喜びを知ること。それを伝えることができるものの一つに児童書がある」と説明。著書の読み聞かせを通して、子どもたちの心を豊かに育むことの大切さを伝えた。

　協議会は、学校図書館を地域に開放することで地域住民の読書活動の活性化や、地域社会の教育力向上を目指す「札幌市学校図書館地域開放事業」の充実や、各開放校の連携強化などを目的に活動している。

　３年ぶりの開催となった全体研修会には、学校司書やボランティアら約１００人が参加した。

　今野会長はあいさつで「コロナ禍においても、地域の子どもたちのために学校図書館運営に尽力してほしい」と呼びかけた。

　かさい氏は「大人の一言は、子どもたちにとって一生残るもの。傷付けてしまうこともあれば、勇気を与えたり、悩みの解決につながったりもする」と指摘。「図書館に来る子どもたちは様々。担任とは違う目線で、司書だからこそかけられる声がある」と述べ、学校司書やボランティアへの期待を示した。

　子どもたちが生きていくために必要なことは「たくさんのうれしさや喜びを知ること。それを伝えることができるものの一つに児童書がある」と説明。絵本の読み聞かせが「様々な年代の心を育む素晴らしいもの」とし、大人にとっても心に響く一冊を見つけることを勧めた。

　一方で、読み聞かせをする上で大切なこととして「あまりに抑揚を付けたり、演技したりすることは避けて」と述べた。「絵本は、手に取ったら読み手のものになる。（過剰な表現をせず）その人なりの読み方が一番良いもの」と説いた。

　このあと、『くれよんがおれたとき』『ばあちゃんのおなか』『さよならまたね』『ぴっけやまのおならくらべ』『かあちゃんえほんよんで』など自著の読み聞かせを通して、「子どもたちに本を読んで一言伝えることは、子どもたちにとって非常に意味のある仕事」と述べた。

(札幌市 2022-10-17付)