国研指定校の今金種川小 公開研 教え合い学び合う授業 笠井調査官 ガイド学習を評価(学校 2022-11-16付)
今金町種川小国研事業公開研
【函館発】本年度、国立教育政策研究所「教育課程実践検証協力校事業」の指定を受けた今金町立種川小学校(黒川貴功校長)は10日、同校で公開研究会を開いた。各学年で複式学級における算数の授業を公開。研究協議で助言した笠井健一国研教育課程研究センター教育課程調査官は、児童のガイド学習によって、学び合える学習環境を評価するとともに、新学習指導要領の趣旨を踏まえ、児童が解答の根拠を相手に分かりやすく伝えられるような指導の手だてを解説した。
同校は本年度、国研の教育課程研究指定校事業の指定を受け、研究主題「基礎・基本の定着、学力の向上をめざす学習指導の工夫~個別最適な学びと協働的な学びの実現に向けて」のもと、へき地教育と算数の研究を推進。
全校児童26人の特認校で複式学級の同校は、学習リーダーを務める児童を中心に周囲と協力しながら学習を進めていく「ガイド学習」に力を入れている。AIドリルやロイロノートなどのICTを積極的に活用し、分からない問題を児童同士が教え合うなど、主体的・協働的な学びの体制を構築している。
公開授業は、全て算数で行い、低学年を金子由恵教諭、中学年を大村壮太教諭、高学年を遠藤公彦教諭が指導した。
うち大村教諭による複式学級特設授業は3年生の「分数を使った大きさの表し方を調べよう」と、4年生の「四角形の特徴について調べよう」を公開。
3年生では、線分図を使って分数を数直線上に表す授業を実施。児童は、教科書の問題から5分の3と、5分の4の長さを比較し、どちらが大きいかを考えた。解答を導き出した児童は困っている児童にヒントを出すなど、協力しながら学習を進めた。
4年生では、児童5人に様々な四角形をロイロノートで「平行」「四角形」「向かい合う辺」の3つに分類させる課題を提示。「平行な直線が2組ある」「平行な直線の組がない」などを手がかりに、児童は学習リーダーを中心に答えを共有。解答の考えが異なった場合は理由を話し合った。
児童同士で正しい解答を導き出せなかった際は、大村教諭が指導。三角定規を活用して平行を確認するよう促した。平行な直線の組が1組の場合は台形、2組の場合は平行四辺形であることを解説し、まとめでは「四角形は向かい合った辺の平行の組によって分類することができる」と一人ひとりが振り返った。
研究協議では、笠井教育課程調査官が助言。児童が互いに自分の考えを伝える場を多く設定している環境を評価した上で「相手が理解しやすいような説明方法は、小学生では見つけにくい傾向がある」と解説。自分の考えを相手に分かりやすく表現するために、解答の根拠を一人ひとりが理解する必要性を示した。
算数は児童の理解度に差が生まれやすいことを指摘し、教員が作成するワークシートや質問を工夫する必要性を指導改善のポイントとした。
また、算数が苦手な児童のつまずきを理解する指導改善をアドバイス。知識・技能を育てる授業だけではなく、思考・判断・表現力を養う指導に重きを置くことで「児童一人ひとりが相手に分かりやすい説明ができるようになるのではないか」と述べた。
(学校 2022-11-16付)
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