函館市　総合教育会議　ＩＣＴでの学び充実へ　不登校児の学習機会保障等

（市町村 2022-12-01付）

質の高い教育に向け、市教委と本通中が事例紹介した

　【函館発】函館市は１１月２５日、本通中学校（仲井靖典校長）で総合教育会議を開いた。工藤壽樹市長や市教委の俊行教育長のほか、市教委委員ら関係者が出席。「ＩＣＴの効果的な活用による学びの充実について」をテーマに、中学生を対象に導入したＡＩドリルの学習効果や、不登校児童生徒への学習機会の保障について市教委の取組を確認。本通中の校内を視察した教育長は、日常の様々な場面でＩＣＴを有効活用する同校の教育活動を評価した。

　市教委ではことし６月、市立中学校、義務教育学校後期課程の全生徒を対象とした、学習用端末を活用した学習支援ドリル「ドリルパーク」を導入。学校ＩＣＴサポートセンターを設置し、ネットワーク環境に係る相談対応やソフトウエアの利活用・運用に関する提案や助言を行い、各校を支援している。

　会議では、小笠原学学校教育部長がＩＣＴに関する市教委のこれまでの取組を説明。

　ＩＣＴ活用による教育活動の変化について「協働学習では、児童生徒が各自の考えを即時に共有し、多様な意見に即時に触れることができる学びの転換が見られている」と周知した。

　会場となった本通中の取組について仲井校長は、不登校生徒や不登校傾向を示す生徒への支援として、校内にサポートルームを設置し、ＩＣＴを効果的に活用した学習に取り組んでいることを紹介した。

　菅原学教頭は生徒会立会演説会でビデオ会議システムを活用した取組など、日常的なＩＣＴの活用事例を説明した。

　校内視察に移り、参加者は、特別支援学級におけるＡＩドリルを用いた学習の様子や、端末上で生徒が自身の考えをまとめる２年生の数学の授業風景などを参観。教育長は「生徒が伸び伸びといい雰囲気で授業が行われている。ＩＣＴを道具として日常的に活用している様子が分かった」と話した。

　協議では、ＩＣＴ活用の研修の方法や情報セキュリティーおよびモラル指導、不登校傾向を示す生徒への対応としての有効性などについて意見を交換した。

(市町村 2022-12-01付)