文科省 改訂生徒指導提要を公表 チーム学校、いじめ対応充実 2軸3類4層で構造示す
(道・道教委 2022-12-08付)

 文部科学省は6日、生徒指導提要(改訂版)を公表した。12年ぶりの改訂でチーム学校による生徒指導体制やいじめ対応に関する記載を大幅に充実。時間軸、対象、課題の高低の観点から生徒指導の構造を2軸3類4層で整理して示した。デジタルテキストとして作成し、目次から該当ページへの移動や関係する法令・通知等の詳細を閲覧できる仕様となっている。

 生徒指導提要は、小学校段階から高校段階までの生徒指導の理論・考え方や実際の指導方法を網羅的にまとめた学校・教職員向け基本書。平成22年の作成以降の環境の変化を踏まえ、生徒指導の基本的な考えや取組の方向性を再整理した。

 総論となる第I部「生徒指導の基本的な進め方」と個別課題に対応した第I部「個別の課題に関する児童生徒への対応」で構成。

 第I部では、生徒指導の意義や教育課程との関係などを記載。生徒指導の構造を時間軸から「常態的・先行的」「即応的・継続的」の2軸、対象から①発達指示的生徒指導(全ての児童生徒)②課題予防的生徒指導(全ての児童生徒と課題の前兆行動が見られる一部の生徒)③困難課題対応的生徒指導(深刻な課題を抱えている特定の児童生徒)の3類に分類。

 さらに②を課題の高低から「課題早期発見対応」「課題未然防止教育」に分割する2軸3類4層で生徒指導の構造を示した。

 また「チーム学校による生徒指導体制」の章を新設して組織体制を整理。こども基本法をはじめとする児童生徒の権利を教職員が理解する必要性を示した。

 校則に関する記載も充実させ、社会の変化等を踏まえて適切な内容か絶えず見直しを行う必要性を明記。学級や生徒会における議論、意見聴取、ホームページでの公開、入学説明会における周知など、学校や教育委員会の取組を取り上げている。

 第Ⅱ部では各課題の未然防止、早期発見・対応の観点から指導に当たっての基本的考え方や留意事項を意整理。いじめ対応のページでは旧提要の約7倍と内容を大幅に充実させたほか、インターネットトラブル防止のための情報モラル教育、性的マイノリティーや発達障がいなど多様な背景を持つ児童生徒への指導についても盛り込んだ。

 デジタルテキストとして作成し、目次やしおりから各ページに移動することができるほか、参考となる法令、通知、ガイドラインなどの名称に外部サイトへのリンクを設定。当該法令等の詳細を閲覧できる。

 また、文章中の専門用語をクリックすることで脚注に移動して解説を確認できる機能や、テキスト内で語句検索を行う機能、巻末の索引から各用語の関連ページに移動する機能を設定した。

(道・道教委 2022-12-08付)

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