オホーツク局主管 FSPセミナー 特支の授業改善目指し 雄武中の授業配信や座談会(道・道教委 2023-01-11付)
オンラインで45人が参加
【網走発】道教委は昨年12月20日、特別支援教育FSP(ファーストステッププログラム)オンライン授業改善セミナー&オンライン座談会を開いた。オホーツク教育局が主管し、管内小・中学校の教諭ら計45人が参加。授業配信や研究協議、オンライン座談会を通じて、特別支援教育における授業づくりの向上を図った。
セミナーは、文部科学省委託「経験の浅い教員の専門性向上に係る支援体制等構築研究事業」の一環として開催。各地域における特別支援教育推進の中核を担うリーダー教員等の授業公開、大学教員や参加者との協議を通して、経験の浅い教員の特別支援教育に係る専門性向上に資することを目的としている。
はじめに、管内の特別支援教育リーダー教員を務める雄武町立雄武中学校の佐野拓生教諭(通常学級)と相澤紗香教諭(特別支援学級)の授業動画を配信。
佐野教諭が指導する3年理科「天体の1年の動き」では、ユニバーサルデザインを意識した授業づくりとして、段階ごとに気持ちの切り替えを促すための授業の構造化(導入、展開、まとめ)や、対話を通して協働的な関係を育むことなどをポイントに授業を展開している。
はじめに、前時の振り返りと本時の学習課題「天体が年周運動するのはどうしてか、地球の動きから考えよう」を確認するとともに、前回欠席していた生徒には個別で内容を教えることで、生徒全員が授業のはじめに全体を見通せるようにした。
つぎに、班ごとに太陽役、地球役などに分かれたロールプレイングを通じて、年周運動を起こす地球の動きを確かめ、班内で実験結果について話し合った。その後、ワールドカフェ方式で他班の人たちとも意見交換し考察を深め、地球の自転と太陽の動きの関係性についての考察をワークシートにまとめた。
相澤教諭が指導する1年数学「平面図形」では、自己肯定感を育てるための定着問題や生徒自身が言語化する場面を設定するなど、主体的な学びを促す授業づくりを進めている。
授業では、定着問題で既習事項を復習してから、本時の学習目標「図形をぴったり重なるように移動することができる」を確認。図に示された三角形の中から平行関係にある三角形を探す問題を解く際に、タブレットなどを有効活用して視覚補助を行い、平行概念をイメージしやすいように工夫した。
つぎに、図の三角形とぴったり重なる三角形を書く問題では、生徒は、各頂点から「右に〇マス、上に〇マス移動」というように自分の言葉で表現しながら問題を解いた。最後に、復習問題を通して学習の定着を図った。
研究協議に移り、効果的な視覚支援の方法や児童の実態に合わせた授業づくりの在り方などについて、佐野教諭と相澤教諭、参加者の間で意見を交換した。
道教育大学釧路校の戸田竜也准教授は、両教諭の指導における創意工夫について「あらためて多くを学ばせていただいた」と評価した。
また、より対話を促すためのポイントとして「時には先生が生徒の役を演じて、対等な立場での対話活動の場をつくれば、より生徒自身の言葉を引き出してあげることができる」と伝えた。
このあとのオンライン座談会では、経験の浅い先生、ミドルリーダーの先生、高校の先生の3つのグループに分かれて、授業づくりや教材づくりなどについて疑問や悩みを共有し合った。
(道・道教委 2023-01-11付)
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