釧路局　組織力強化会議　検証改善の取組明確化　日常の授業見直し課題分析

（道・道教委 2023-01-19付）

　【釧路発】釧路教育局は１６日、釧路市内の道東経済センタービルで４年度第２回組織力強化会議を開催した。管内小・中学校等のミドルリーダー約１１０人が参加。全国学力・学習状況調査結果を踏まえ、学力向上に係る検証改善サイクルを確立する取組の明確化に努めた。教育課程の改善に加え、算数・数学の授業づくりに重点を置いた演習、グループ協議等を通じ、日常の授業を見直し、課題を分析する一方、具体的な改善策について活発に意見を交わした＝写真＝。

　第２回会議の対象者は、管内全小・中学校、義務教育学校、高校のミドルリーダーと各市町村教委の指導主事。釧路局教育支援課の職員が運営した。

　全体会では小田浩平義務教育指導班主査が、４年度全国学力・学習状況調査結果の活用について詳しく説明。管内の現状と課題を示し、課題として各校の教育課程の改善点の明確化、改善への取組を学校全体で徹底する方策の必要性などを強調した。

　参加者は調査結果を踏まえた具体的な改善策を見いだすグループ演習・協議を４人一組で実施。組織体制や指導計画、指導方法といった観点から熱心に意見を交わし、具体的な改善策を探った。

　部会に移り小学校部会では、鈴木将太義務教育指導班指導主事が講師に。管内の大きな課題となっている算数における主体的・対話的で深い学びについての改善策に重点を置き、授業改善の方向性を説明。数学的活動を意識した単元の構成、数学的に表現し伝え合う活動の工夫といった具体策を示したほか、算数・数学授業づくりシートの作成・活用についての演習を指導した。

　中学校部会では中嶋由佳義務教育指導班主任指導主事が講師を務め、全国学力・学習状況調査質問紙調査の結果を活用した教科経営を説明。質問紙調査結果と教科に関する調査結果のクロス分析の活用や、児童生徒質問紙調査と学校質問紙調査を比較分析することが、具体的な取組につながるとした。

　さらに各校が調査結果をもとに教科経営の改善に向けたワークシートを作成する演習を指導。参加者は演習を通じ課題の明確化、自校で推進すべき取組を検討した。

　中嶋主任指導主事は引き続き全体会で、ＩＣＴの日常的な活用による授業改善について説明した。主体的・対話的で深い学びの実現に向け、学習場面ごとのＩＣＴ活用策に加え、板書やノートといった既存のツールとの融合策などを紹介。併せて各校それぞれが授業改善の目標やスケジュールを探る演習を指導した。

　最後に菅原巧教育支援課長があいさつ。小・中・高一体的な学力向上に向けて、体系的な教育が組織的に行われなければならないこと、連携の目的・目標を共有すること、学校全体でチームとなって取り組むことの重要性を強調。成果を可視化し、小さな成功体験を積み重ねていくよう期待した。

(道・道教委 2023-01-19付)