本道教育の充実へ新計画　ＳＤＧｓ、ＩＣＴ推進　道教育推進会議が道教委へ答申

（道・道教委 2023-01-17付）

答申書を手にする倉本教育長と大野会長（左）

　道教育推進会議の大野栄三会長は１６日に札幌市内の道第二水産ビルで、来年度から始まる新たな道教育推進計画の答申を道教委の倉本博史教育長に手渡した。倉本教育長は約１年半にもわたる審議への協力に感謝の言葉を述べ「本道教育の充実に向けた“生きた計画”となるよう努めるとともに、道民からの理解や協力を得られるよう取組を進めていきたい」と決意を示した。道議会での議論を経て３月下旬に決定する。

　道教育推進計画は国の教育振興基本計画や道総合教育大綱を踏まえ、本道が目指す教育の基本的な理念や目標を示すもの。道教委の付属機関である道教育推進会議は３年７月に道教委の諮問を受け、道内有識者が多面的・多角的観点から審議を重ねてきた。

　計画期間は５～９年度の５ヵ年。現行計画の基本理念「自立」「共生」を継承し、施策項目を６分類３０項目から３分類２２項目に再構築。新たに「ＳＤＧｓ・ＥＳＤの推進」「ＳＴＥＡＭ教育の推進」の項目を新設する。

　答申で大野会長は、少子化・人口減少が進む本道の課題に対処するためＩＣＴの活用が重要なテーマになったと振り返り「子どもたちの特性や環境に応じた教育の実現、学校における働き方改革、関係者間の連携強化など、多様で新たな可能性をもたらすテクノロジーを適切に活用し、学びの環境を一層充実させてほしい」と求めた。

　また、環境問題など世界規模の課題解決に対処するためＳＤＧｓ・ＥＳＤをあらゆる教科で関連付けて推進するよう期待。計画ではＳＤＧｓに関する新たな指標を盛り込み、ＳＤＧｓに関する体験活動や問題解決的な学習に取り組む小・中学校、高校、特別支援学校の割合を１００％に設定する予定。

　１６日の会議では、答申に先駆けて出席者による意見聴取を実施。道小学校長会の紺野高裕会長は新計画を周知・浸透させるため校長や行政の役割が重要とし「教員一人ひとりが計画を受け止め内容を理解するための校長の努力や、市町村教委における施策の具体化が必要」と述べた。

(道・道教委 2023-01-17付)