道教委に道建協が担い手確保要望　総合産業学科創設を　授業で基礎的技術習得へ

（道・道教委 2023-01-20付）

道教委に道建協が担い手確保要望

　道教委は１８日、北海道建設業協会（岩田圭剛会長）から建設業の担い手確保に関する要望を受けた。建設技術の習得に係る教育の場が減少している状況を踏まえたもので、岩田会長が倉本博史教育長に要望書を手交＝写真＝。業界に入職するための基礎的技術を習得する授業が確実に受けられるよう、既存の工業高校と工業高校のない地域の普通高校における仮称・総合産業学科の創設について特段の配慮を求めた。

　建設業は就業者の高齢化が加速する一方で、若年層の入職が思うように進んでいない状況。少子化によって若年層の人口そのものが減少する中、近年は工業高校等における建設技術を習得する学科の入学定員が縮減される事態となっている。

　道建協は就業者の処遇改善や働き方改革の推進などに努め、若者が働きやすい環境を整えているものの、現状では担い手を十分に確保できず、業界としての役割を果たすことが難しくなることを危惧。道教委に対し、担い手確保に関する要望活動を行うこととした。

　当日、道建協から岩田会長をはじめ、萩原一利副会長、中田孔幸副会長、栗田悟副会長らが出席。道教委は、倉本教育長が対応に当たった。

　具体的な要望内容をみると、工業高校に建設業へ入職するための基礎的技術を習得する授業が受けられるような仮称・総合産業学科を創設し、土木、建築コースを設定することを提唱。工業高校のない地域の普通高校にも同様の学科を創設するとともに、土木、建築、機械コースなどの学びの場を設けるよう訴えた。

　岩田会長は「建設技術の習得機会の確保・拡大について配慮を」と要請。倉本教育長は「建設業の人材確保は喫緊の課題」との認識を示した上で、子どもたちに業界を志してもらえるよう、小・中学校段階から積極的にその魅力をＰＲしていくべきとした。新たな学科等の設定に関しても「必要と考えており、引き続き意見交換をさせていただきたい」とし、双方が連携した取組について協力を求めた。

(道・道教委 2023-01-20付)