宗谷局など 1日防災学校研修会 避難所生活理解も必要 成果や今後の改善点等協議
(道・道教委 2023-01-23付)

1日防災学校研修
1日防災学校の発展・充実に向け協議や講話が行われた

 【稚内発】宗谷総合振興局と宗谷教育局は13日、1日防災学校の推進等を目的にした取組として管内1日防災学校研修会を宗谷合同庁舎で初めて開催した。参加者が本年度の1日防災学校の活動を振り返るとともに、次年度の改善点等を市町村ごとにグループで協議。改善点の発表では「避難するまでの過程だけではなく、避難所生活への理解を深める内容も必要」「参観日に開催することで、保護者の理解が深まる内容にできるかもしれない」などの意見が上がった。

 宗谷管内は本年度、小・中学校おける1日防災学校実施率が全管内で唯一100%を達成する見込み。研修会では、学校や関係者が本年度の1日防災学校の取組を振り返り、成果と課題を交流。今後の1日防災学校の充実・発展を目的に、振興局と教育局が共催した。

 当日は、教職員や消防などの関係者、計115人が参加。合同庁舎を主会場にズームを併用して実施した。

 はじめに、宗谷総合振興局の辻井宏文局長があいさつ。防災教育の重要性を強調した上で「災害発生時は多くの学校が避難所として非常に重要な場所になる」とし「防災教育は国の将来を担う子どもを守るためのもの」と呼びかけ、研修の成果と今後の各校の実践に期待を寄せた。

 研修の冒頭、宗谷教育局の千代隆志教育支援課長が1日防災学校の実施状況を説明。

 引き続き、各市町村の参加者同士でグループをつくり、本年度の実施状況や改善点などを協議した。

 各グループ代表者による発表では「中学校の内容が小学校と同じことがあったので学校間での情報共有が必要」「参観日に開催し、保護者の理解を深める機会にもできるのでは」「地震の影響による停電時への対応力も必要」などの意見を全体で共有した。

 発表終了後、道教育大学の佐々木貴子名誉教授が「防災の視点を取り入れた学校教育」を演題に講話。「子どもたちは、実際に災害が発生した際の行動を学校生活ではイメージしにくいことが多い」と強調した。

 その上で「防災教育の視点や考え方は、全教科に関わりがあるもの。防災教育を踏まえた年間指導計画の策定を検討してほしい」と呼びかけ、学校全体で取り組む防災教育の実施を求めた。

 最後に、講話やグループ発表の意見を踏まえ、次年度以降の1日防災学校の具体案などを話し合った。

(道・道教委 2023-01-23付)

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