アレルギー対応改善へ道教委　点検表や手引例等作成　留意事項整理し関係者に通知

（道・道教委 2023-01-18付）

　道教委は、学校・教育委員会におけるアレルギー対応の改善・充実を図るため、重点項目チェックリストをはじめとする参考資料を作成した。危機管理マニュアルや校内研修の企画例、献立表の参考例も併せて作成し、各学校で積極的に活用するよう要請。学校の課題を整理して解決方策を協議するとともに、特に児童生徒の命に関わる事項に関しては早急に取り組むよう呼びかけている。

　食物アレルギーに関する誤食の事故が例年発生しており、本道の子どものアレルギー疾患の被患率は全国と比べても高い状況にある。

　道教委の２年度調査によると、道内児童生徒の食物アレルギー者の割合は小学校が９・３％、中学校が１０・７％、高校が８・８％、特別支援学校が９・３％。エピペン保持の在籍校は小学校が３０・４％、中学校が２６・８％、高校が４２・５％、特別支援学校が２３・９％となっている。

　同資料は専門家の意見を踏まえて新たに作成したもので、活用に当たっての留意事項と共に１６日付で各教育局長・道立学校長・札幌市を除く市町村教委教育長など関係者に通知した。

　資料は①重点項目チェックリスト②調査結果と事故事例③危機管理マニュアル例④校内研修の企画・実践例⑤学校給食の献立表例―の５点。このうちチェックリストでは教育委員会や学校における事故の未然防止や緊急対応の取組を一覧化して示しており、近年発生した事故の事例と共に活用するよう求めた。

　危機管理マニュアルの例では、アレルギー対応委員会の設置、教職員の役割分担や対応フロー図を記載。年度初めに専門的な知識やアレルギーを有する児童生徒の情報を周知することで教職員の共通理解を図る。

　校内研修の計画・実施・評価に至る流れもまとめ、アナフィラキシー発症時における模擬訓練やエピペンの取り扱いに関する実習など有事に備えた体制整備の重要性を示した。

　献立表では保護者が確認できるよう毎日の食材をリスト化し、事故を未然に防止する留意点も示した。分かりやすい献立を作成して児童生徒が読みやすい場所に掲示するほか、調理従事者・栄養教諭で相違がないよう確認を求めている。

(道・道教委 2023-01-18付)