【解説】コロナ禍　行事等中止に不満

（解説 2023-01-24付）

　コロナ禍における学校行事の中止、部活動の縮小が、児童生徒の学校生活への不満を高める傾向があることが、浜銀総合研究所が実施した文部科学省委託調査「コロナ禍が学校・児童生徒に及ぼした影響」で明らかになった。

　調査は、教育委員会、学校（小学校、中学校、義務教育学校）、児童生徒、保護者を対象に実施。２年度と３年度にパネル調査で実施したほか、４年度に収集したデータの接続や分析等も行った。

　コロナ禍の２年度と３年度における学校行事の実施状況をみると、２年度の小学校では「音楽会ほか音楽系行事」の中止の割合が最も高く、次いで「芸術鑑賞会」や「職場見学・職場体験」など。入学式や卒業式の中止の割合は低いが、概ね規模や時期等を変更して実施したとの回答が多かった。一方、ノウハウの蓄積によって３年度は中止の割合が低下。変化が大きいのは、小・中学校共に集団宿泊活動や遠足、芸術鑑賞会で、計画どおりに戻るのではなく「変更で実施」に変化している。

　コロナ禍における行事中止の影響をみると、小学生では、運動会や遠足などの行事が中止された場合に不満の意識が高い関連性がみられた。

　中学生では、部活動の縮小について「とても残念だった」は４割以上で「どちらかといえば残念だった」と合わせると７割以上を占める。また、自身が部活動に熱心に取り組む生徒、部活動が盛んと実感している学校の生徒であるほど「残念だった」との回答割合は高い傾向がみられた。同研究所は部活の縮小や大会・コンクール等の中止が生徒の心理面に影響を与えた可能性があるとし、「児童生徒の置かれた状況によって反応は予想以上に多様であった可能性が高い」と考察している。

(解説 2023-01-24付)