札幌市教委　市立高校教育改革方針　重点に学校間・地域連携　他校も特色授業履修可能に

（札幌市 2023-02-15付）

　札幌市教委は、市立高校教育改革方針における、５年度から４年間の実行プラン案をまとめた。重点項目に学校間や地域・企業との連携を設定し、各校の特色ある授業を他校生徒が履修可能にする仕組みや、学校外の人的・物的資源との接続を担うコーディネーターを新たに設置することなどを盛り込んだ。

　平成２９年に策定した市立高校教育改革方針は、１０年間を見据えた基本理念を示す「ビジョン」と、前期・後期で取り組む施策を示す「実行プラン」で構成している。前期実行プランの計画期間が本年度で終了することから、５～８年度の４年間の後期実行プランを今回新たに策定する。

　案では、ビジョンに掲げた基本方針①生徒の個性や能力を伸ばす質の高い教育の充実②社会に開かれた教育活動の推進③学校の取組を支える仕組みの構築―に基づき、１５の施策を設定した。

　このうち、４つの施策を重点項目に設定。「学校間連携・授業連携の推進」では、各校の特色ある授業を他校の生徒も履修可能にすることを示した。入学後の生徒の興味・関心の変化に対応し、選択の幅広い教育を提供する。また、単位制導入校の拡大について検討することも盛り込んだ。

「学校と地域・企業等をつなぐ組織体制の整備」では、学校外の人材など社会教育資源との接続を担う「高校と地域をつなぐコーディネーター」を新たに配置することを検討するとした。

　このほか、市立札幌大通高校の支援事業をはじめとする「特別な配慮を必要とする生徒への支援充実」や、各校のスクールポリシーに基づいた「新しい時代に必要となる資質・能力の育成」に重点的に取り組む。

　今後、パブリックコメントを経て、３月の策定を目指す。市教委は「生徒にとって魅力ある学校であり続けるため、今後の在り方について引き続き検討を進める」としている。

(札幌市 2023-02-15付)