札幌市教委　５年度教員研修方針　内容・方法の最適化等　育成指標　管理職編改正も

（札幌市 2023-02-13付）

　札幌市教委は、５年度教員研修の方針をまとめた。「内容・方法の最適化」「自主的・自律的な受講奨励」を掲げた。法改正などを踏まえ、研修履歴を活用した面談の実施による主体的な受講の推進、受講者が自ら「探究」する学習指導研修の実施などを行う考え。教員育成指標については、校長に求められる資質・能力が明確化されたことを踏まえ、管理職編の内容を改正する。

　４年７月に施行された改正教育公務員特例法および教育職員免許法では、普通免許状および特別免許状の更新制に関する規定が削除された。併せて、各教員の研修履歴を記録するとともに、記録に基づく資質向上に関する指導助言を行う仕組みが制度化された。

　それを踏まえ、５年度の教員研修計画を立案するに当たり「内容・方法の最適化」「自主的・自律的な受講奨励」を方針に掲げた。

　重点に①経年研修・専門研修の内容・方法の最適化②管理職のマネジメントのもとでの主体的・自律的な研修受講③特別支援教育に係る教員の資質・能力の向上―の３点を設定した。

　①では、経年研修において、受講者が各キャリアに応じた自己目標や身に付けたい力を設定し、自ら「探究」する学習指導研修への改善を図る。共通・選択研修のバランスを最適化。選択研修に位置付けていた一部を「共通コンテンツ」としてオンデマンド配信する。

　②では、研修履歴・ガイドラインを活用した管理職による受講奨励を行う。新設した「研修履歴シート」によって履歴を可視化するとともに、管理職との期首・期末面談で活用することで、各教員の経験や立場を踏まえた主体的な受講を推進する。

　③では、特別支援教育に関わる選択研修を共通コンテンツ化し、多くの教員が受講できるようにする。このほか、通級指導に係る研修を充実させる。

　教員育成指標に関しては、校長に求められる資質・能力が「人材育成」「マネジメント能力」「アセスメント能力」「ファシリテーション能力」に明確化されたことを踏まえ、管理職編の一部を改正。「学校組織マネジメント」の観点に人材育成、アセスメント、ファシリテーションの３点を盛り込み、求められる資質・能力が分かりやすくなるよう整備する。

　各教員編は、教員に求められる資質・能力の５つの柱を反映させた内容に本年度改正したため、５年度は現行のままとする。これをもとに研修計画を立案し、近く各校に周知する予定。

(札幌市 2023-02-13付)