道教委　第５次読書活動推進計画案　子の視点でサービス改善　学校司書配置など指標再設定

（道・道教委 2023-02-15付）

　道教委は５～９年度を計画期間とする北海道子どもの読書活動推進計画（第５次計画）の案をまとめた。素案からの変更点をみると「子どもの視点に立ったサービスの改善」「１人１台端末と学校図書館を活用した学習活動」を重点として位置付けたほか、高校生の一斉読書や書評合戦（ビブリオバトル）、入学時における学校図書館のオリエンテーション充実などを追記した。指標の一部の数値は再設定する予定で、道議会での議論を経て３月の教育委員会で決定する。

　計画は子どもの読書推進に関する施策の基本的方向と具体的な方策を示すもの。基本目標として①社会全体での子どもの読書活動の推進②子どもの学びを支える読書環境の整備―の２点を掲げ、家庭・地域・学校における読書活動の推進方策を示している。

　道議会での議論やパブリックコメント、道の有識者会議での意見や国の動向をもとに、昨年９月の素案から修正。主な変更点として、地域における読書活動の重点の一つに「子どもの視点に立ったサービスの改善」を加え、中高生の要望を取り入れた図書コーナーの設置など、子どもが立ち寄りやすい環境を整備する方針を示した。

　学校における読書活動では「１人１台端末と学校図書館を活用した学習による情報活用能力を育成する活動」を重点として定め、ＩＣＴ環境を活用した学校図書館の積極的な利活用を進めるとした。

　また、高校生期における一斉読書や書評合戦（ビブリオバトル）などの取組や入学時の学校図書館のオリエンテーションの充実について追記。図書館の整備に当たっては「電子書籍を含む電子資料の利用促進」を重点として位置付けた。

　このほか、乳幼児が様々な絵本に触れる機会を増やすことができるよう、保護者、ボランティア、司書等と連携・協力した読み聞かせの実施や、乳幼児がアクセスできる公立図書館の環境整備の必要性を示した。

　９年度までの目標指標は６指標。このうち「こどもの読書週間（４月２３日～５月１２日）等に読書活動に関する事業を実施している市町村」「障がい者のためのサービスを提供する市町村」の割合は素案どおり１００％とする目標を示した。

　「授業で学校図書館を利用している学校の割合」「公立図書館や様々な人材と連携した取組を行っている学校の割合」「学校図書館で電子機器や情報メディア機器を整備している学校の割合」「学校司書の配置率」の指標の数値は再設定し、現在集計中の調査等を踏まえ決定する見通し。

(道・道教委 2023-02-15付)