文科省 企業家教育を全国展開 7大学でプログラム開発 省庁横断・産官学連携で推進
(国 2023-03-06付)

 文部科学省は新年度、アントレプレナーシップ(起業家精神)教育の対象を小中高生へと拡大する「EDGE―PRIME Initiative」を開始する。北海道を含む全国7地域の大学で教育プログラムを開発・運用して総合的な学習の時間などでの活用を図るほか、各地のスーパーサイエンスハイスクールにおける先端的な取組の展開や学校への起業家派遣など、産業界や自治体と連携した取組を一体的に推進する予定。

 アントレプレナーシップ教育は、チャレンジ精神、創造性、探究心や起業家的資質・能力(情報収集・分析力、判断力、実行力、リーダーシップ、コミュニケーション力など)を有する人材を育成する教育。起業を望ましい職業選択と考える人の割合は中国79・3%、米国67・9%、英国56・4%と諸外国で高い一方、わが国は24・6%と相対的に低い状況にある。

 政府は戦後の電機メーカーや自動車メーカーに続く第2の創業ブームを実現するため、新規性のある技術やビジネスモデルで新たな市場や価値を創造する企業体「スタートアップ」への投資額を5年間で現在の8000億円から10兆円規模へと引き上げる方針を示している。

 文科省が来年度開始する「EDGE―PRIME Initiative」は、これまで主に研究者や大学生を対象に実施してきたアントレプレナーシップ教育を小中学生、高校生へと門戸を拡大するもの。

 事業の柱は3つで、一つはスタートアップ創出に向けて内閣府が指定する全国7つの「スタートアップ・エコシステム拠点都市(道内では札幌・北海道が指定)」と重ねる形で大学のプラットフォームを構築し、小中高生に提供する教育プログラムの開発に取り組む。

 希望する児童生徒がいつでも触れることができるようオンデマンドコンテンツを用意し、プログラムの定着を図る仕組みについても検討する。

 各プラットフォームでは自治体、企業、学校、企業家などによる推進体制を構築し、開発したプログラムの改善やパッケージ化のほか、協力者への研修や人材プール構築などの協力体制の整備にも取り組む。

 また、大学、学校、自治体を通してプログラムの広報を行うとともに、ノウハウを共有するネットワーク構築のイベントも実施する。

 加えて、全国で先端的な教育を進める文科省の「グローバルサイエンスキャンパスジュニアドクター育成塾」や「スーパーサイエンスハイスクール」などを通じてアントレプレナーシップ教育を全国で展開するほか、中小企業庁による事業を活用して起業家を学校の授業に派遣するなど省庁横断で取組を推進する。

(国 2023-03-06付)

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