5団体4個人に栄誉 後志局 管内教育実践表彰(道・道教委 2023-03-07付)
小樽山の手小
【小樽発】後志教育局は4年度管内教育実践表彰の受賞者を決定した。学校教育では小樽市立山の手小学校、古平町立古平小学校、小樽桜陽高校、寿都町小中高連携推進委員会、寿都町立寿都小学校の千葉慎也教諭、共和町立北辰小学校の佐藤皓亮教諭、小樽市立北陵中学校の齊藤敏弘主幹教諭、倶知安農業高校の渡邉琢益教諭が受賞。社会教育では読み聞かせの会「ぐりとぐら」が栄誉に輝いた。受賞者・団体の功績概要はつぎのとおり。=敬称略=
◆学校教育
【団体】
▼小樽市立山の手小学校(日下部匡彦校長)=「授業改善および組織力向上の取組」
平成30年の開校以来、「学習の基盤となる国語力の育成」を目指す授業改善と「チーム山の手」を目指す学校運営の組織構築に力を注ぎ、喫緊の課題の解決に向けた取組や学校方針などを保護者や地域に明確に伝えることを通して、地域と共にある学校づくりに取り組んでいる。
特に表現力を育成するための授業改善として、外部講師を招いて公開研究会や講演会を開催し、先進的な実践事例を取り入れるとともに、1人1台端末を活用し「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体化させ「主体的・対話的で深い学び」を実現していることによって、学力調査等において国語科の平均正答率で全国を上回るなど大きな成果を上げている。
また3年度は学力向上推進事業「第2回組織力強化会議」において、学力向上ロードマップに基づく組織的な授業改善の取組を管内に発信するなど、管内全体の教育に大きく貢献している。
▼古平町立古平小学校(三浦卓也校長)=「授業改善および小中一貫教育の取組」
長年にわたり「勇気ある子ども~自分で考える子(知)思いやりのある子(徳)たくましい子(体)」を教育目標に掲げ、知・徳・体の調和の取れた人間性豊かな児童の育成を目指す学校づくりに取り組んでいる。
特に授業改善の取組として、グランドデザインと学力向上ロードマップの整合を図り、各種調査結果の分析および改善策の提示を迅速に行い、自分の思いや考えを確実に持たせる時間を保障することや、1単位時間の指導過程の中に要旨をまとめたり文字数制限をしてまとめたりする場面を意図的に位置付ける取組など、学校の重点課題の改善に向けた取組を全学年で行うことによって、大きな成果を上げている。
また小中合同の公開研究会や乗り入れ授業の実施や総合的な学習の時間の9年間のカリキュラム整備など、管内の小中一貫教育の取組の推進に大きく貢献している。
▼小樽桜陽高校(西川勤校長)=「地域および外部団体と連携した取組」
開校以来、思いやりや社会への奉仕の心を育み、協力して自主的に行動する精神と態度を養うことを目指し、生徒会を主体として地域や外部団体と連携しながら、様々なボランティアに取り組んでいる。
特に昭和57年から、学校付近の独居高齢者宅の除排雪ボランティアを実施しており、町内会と協力しながら、事業を継続している。秋の交通安全週間には、交通安全啓発ボランティアを実施しており、生徒が手作りのマスコット「無事カエル」を製作し、交通安全を呼びかけるなど、地域と連携した取組の推進に大きく貢献している。
▼寿都町小中高連携推進委員会(有田千尋教育長)=「小中高が連携したキャリア教育の取組」
平成27年度の発足以来、教員や教育委員会職員で構成する寿都町小中高連携推進委員会のふるさとキャリア推進部会を中心に、小中高が連携したキャリア教育に取り組んでいる。
特に28年度から小中高キャリア合同発表会を実施し、児童生徒が総合的な学習の時間や総合的な探究の時間での学習成果を発表したり、町の今後について意見交換したりすることを通して、キャリア教育や地域人材の育成の充実を図るなど、大きな成果を上げている。
また寿都中学校の生徒は、地元の寿都高校に進学する意識が高く、寿都高においては、1間口の学校でありながら優れた大学進学実績を残しているなど、総合的な学習(探究)の時間の系統性を意識したキャリア教育の実践は高く評価でき、管内の学校間連携の取組の推進に大きく貢献している。
【個人】
▼千葉慎也(寿都町立寿都小学校)=「学力向上および校内研修の充実に貢献」
小学校教諭として、板書型指導案を活用した誰もが分かりやすい実践の紹介および活用の普及に取り組み、校内の授業づくりの充実に尽力するとともに、校内研修を推進する中で、日常実践のポイントを積極的に発信するなど創意工夫ある教育活動を展開している。
特に道教委の学力向上推進事業「第2回組織力強化会議」において、学力向上ロードマップを活用した組織的な授業改善の取組や、検証改善サイクルの短期化・迅速化・継続化に係る実践発表を行うなど、管内の学力向上の取組の充実に大きな成果を上げている。
また全学年の算数科の単元計画を作成し、校務共有フォルダで蓄積・共有することで、働き方改革にもつながる持続可能な研修の取組を定着させるなど、その実践力は高く、管内全体の教育に大きく貢献している。
▼佐藤皓亮(共和町立北辰小学校)=「授業改善および体力向上の取組の充実に貢献」
小学校教諭として、特別支援教育に関わる教諭の知識や技能の充実に尽力するとともに、体育専科教員活用事業の専科教員として、体力向上の取組を推進する中で、体育の授業改善など創意工夫ある教育活動を展開している。
特に体育授業において、特別支援教育の視座に立った支援を取り入れるとともに、動的ストレッチを町内全ての学校で実践し定着させたり、ICTを活用した児童の主体的な学びを工夫したりするなど、当該教諭の取組は他の模範となっており、本道ならびに管内の体力向上の取組の充実に大きな成果を上げている。
また公開授業を行うなどして、体育授業の改善や充実に中核的な役割を果たすとともに、管内の体育専科教員や体育エキスパート教員と連携し、豊富な経験に基づいた研究成果の普及を行うなど、その実践力は高く、管内全体の教育に大きく貢献している。
▼齊藤敏弘(小樽市立北陵中学校)=「小中一貫教育の振興と充実に貢献」
小樽市内の数学科の研究の中心となる教諭として、課題解決型の授業実践に取り組み、市内の授業改善に尽力するとともに、北陵中学校区で小中一貫教育を推進する中で、創意工夫ある教育活動を展開している。
特に小・中学校の全職員による研修会の定例化、2つの小学校の児童を混合に編成した中学校での合同授業等の推進、全国学力・学習状況調査の課題を見える化した単元配列表を活用したカリキュラムの工夫等の取組は他の模範となっており、本道ならびに管内の小中一貫教育の振興と充実に大きな成果を上げている。
また小樽市主幹教諭会の会長として中心的な役割も果たし、校内の組織化の現状や課題・成果を市内で共有し、市内校長会、教頭会と連携を図りながら、市内全ての学校の組織的な取組を促進するなど、その実践力は高く、市内はもとより管内全体の教育に大きく貢献している。
▼渡邉琢益(倶知安農業高校)=「農業教育の振興と充実に貢献」
初任者として同校に赴任以来、農業科教諭として学校課題および地域課題の実践の充実に尽力するとともに、農業クラブ(生徒会)活動、課題研究(畜産班)、教科(畜産・野菜)の学習を推進している。
特に肉牛生産の学習において、規格外品ジャガイモの活用やデンプンかすの有効活用として肉牛の肥育試験を赴任当初から研究し、第73回日本学校農業クラブ連盟全国大会4年度北陸大会「実績発表の部」においては、「ようてい和牛プロジェクト~デンプン粕サイレージの有用性の検証」をテーマに発表し、優秀賞を受賞した。
また4年度から教務部長として、ICT教育推進、総合的な探究の時間の企画立案など、新学習指導要領に対応した授業の確立および評価方法について中心的に推進しており、校内のみならず地域の産業教育の発展に大きく貢献している。
◆社会教育
【団体】
▼読み聞かせの会「ぐりとぐら」(増田朱里代表)=「読書ボランティアなど文化活動の取組」
昭和57年8月26日の発足以来、テレビ時代の子どもたちに絵本の楽しさ、童話の奥深さを伝えようと、読書ボランティアに取り組んでいる。
特に本や絵本を通して心を豊かにし、親子や子ども同士、子どもと地域の大人との触れ合いの機会をつくることを目的に、絵本館を拠点として活動している。絵本の読み聞かせを月2回絵本館で行うほか、町内外の小・中学校、こども園および育児サークル等でも行っている。
また講演会や手あそびなどのイベントを開催するなど、子育てや子どもの成長をサポートする活動も行っており、今年度設立40周年を迎え、長年にわたり管内の社会教育の振興に大きく貢献している。
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古平小
小樽桜陽高
寿都町小中高連携推進委員会
寿都小・千葉教諭
共和北辰小・佐藤教諭
小樽北陵中・齊藤主幹教諭
倶知安農業高・渡邉教諭
読み聞かせの会「ぐりとぐら」
(道・道教委 2023-03-07付)
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