ＣＢＴシステムやＡＩドリルなど　新たな学びへ知見共有　道教委が情報交換会を初開催

（道・道教委 2023-03-03付）

　道教委は２月２８日、新しいかたちの学びの情報交換会をオンラインで初開催した。元国立教育政策研究所学力調査官で道教育大学附属函館中学校副校長の黒田諭氏による講演をはじめ、道内の学校・市町村教委関係者が端末を活用した授業や学習支援の取組を発表。ＣＢＴシステムやＡＩドリルの活用、民間塾と連携したオンラインによる放課後学習支援など知見を共有した。

　情報交換会はＩＣＴを活用した組織的な授業改善、家庭学習など授業以外における学習の充実に向けた方策、カリキュラム・マネジメントの在り方などについて共通理解を図るため今回初めて開催したもの。

　市町村教委職員や市町村立学校の管理職ら約２５０人が参加した。

　開会に当たり学力向上推進課の髙橋宏明課長は「各学校の取組について情報収集してもらうとともに、新しいかたちの学びの充実に向けて学校・地域の枠を越え、情報を交換するなど交流を進めてほしい」と本道におけるＩＣＴ活用の促進に期待を寄せた。

　続いて、道教育大学附属函館中の黒田副校長が「今、社会に必要とされる学校とは～学びを質的に高めるカリキュラム・マネジメントとＩＣＴ活用」と題して講演。情報活用能力の育成を図る附属函館中のカリキュラム・マネジメントや各教科等におけるＩＣＴ活用の具体や効果などを示した。

　道教委が文部科学省のＣＢＴシステム「メクビット」の活用方法を説明したあと、市町村・学校関係者が実践発表。

　このうち様似町立様似小学校の伊藤祐太教諭はメクビットによるほっかいどうチャレンジテストの実施など端末持ち帰りによる家庭学習の実践を取り上げ、家庭学習や冬休みの計画表をデジタル化することで業務改善にもつなげていることを報告した。

　函館市立北昭和小学校の髙谷智史教諭、函館市立あさひ小学校の中里敦教諭はクラウドによる相互評価やＡＩドリルの導入など家庭学習の取組のほか、ＩＤ・パスワードの取り扱いの注意点など端末持ち帰りの指導や家庭への啓発の在り方を示した。

　当別町教委、留寿都村教委、新ひだか町教委は土曜教室や放課後学習支援の取組を発表した。このうち留寿都村教委の松下靖彦教育次長は中学生を対象に本年度から開始した「錬成会ＯＮＬＩＮＥ」について解説。時間や場所にとらわれず通塾と同じ授業を受けることができるもので、５年度からは小学校高学年を対象に加える方向で予算案に計上していることを伝えた。

　一方、個々の受講者の取組姿勢に差が見られる課題にも触れ、全体的な学習習慣の定着と学力の向上を今後の課題として示した。

(道・道教委 2023-03-03付)