組織再編後の道研の役割 教員の多様な学び創造へ デジタル化調査 中核研究に(道・道教委 2023-03-07付)
道教委は3日の道議会予算特別委員会で、来年度からの組織再編を計画している道立教育研究所の方向性について説明した。廃止となる情報処理教育センターと理科教育センターが担ってきた業務は新体制でも継続し、本庁とも連携して研究・研修の機能を一層強化。教育のデジタル化に関する調査研究は中核的研究に位置付け組織全体で推進する。倉本博史教育長は、本道教育関係機関の中心となって先進的な取組を普及・啓発し、教員の多様な学びを創造する道研の役割を示した。
江別市内に所在する道立教育研究所は、教育関係職員の資質・能力の向上に必要な各種研修を実施するとともに、教育実践上の諸課題に関する調査研究を行っている。道教委は2年度に検討会議を設置し、教育研究や教員研修の現状と課題、組織体制の方向性について検討を開始。「教育課題や教員の研修ニーズに的確に対応する道教委全体の研修体系の構築」「研究成果を施策に一層反映する体制整備」などの必要性から、研究・研修を中核とする機能の充実と付属施設を含む組織再編に踏み切ることとなった。
具体的には、情報処理教育センターと理科教育センターを廃止するとともに、教員のキャリアステージに応じた資質・能力の向上を図る「人材育成部」、国の教育動向や本道ならではの教育課題に対応する「教育課題研究部」、小中高における各教科の学力向上を図る「学力向上調査部」を新設。現行の総務部、研修部、研究部と付属2施設による3部2センターから、総務部と新設3部による4部体制に移行する。提案中の関係条例案の可決によって4月1日から施行となる。
中澤美明学校教育局指導担当局長は、情報処理教育センターが担ってきた教育のデジタル化に関する調査研究を教育研究所の中核的な研究として組織全体で推進する考えを表明。理科教育センターが担ってきた移動理科教室や教材開発などの振興事業は引き続き研修の担当部署で継続するほか、理科教員対象の専門研修は学力向上施策の一環として本庁の取組と関連させて研修内容の充実を図る考えを示し「こうした付属施設の取組の継続・発展はもとより、今日的な教育課題や小規模校教育などの本道ならではの教育課題にも十分対応することができる体制を整備し、教育研究所の機能強化を進めていく」と述べた。
倉本教育長は「今日の教員が学校教育を取り巻く課題に的確に対応することができる資質・能力を身に付けていくため、オンラインの利点を生かした研修参加者の拡充等によって教員がどこに勤めていても必要な時に自ら知識・技能等を習得し実践力を高めることができる研修を提供するなど、本道の特性や直面する教育課題に応じた重要な役割を果たしていく必要がある」と答弁。
その上で「教育研究所が大学や市町村教育委員会、各地域の研修センターなど本道教育に係る様々な機関の中心となってネットワークを構築し、先進的な取組を全道へ普及啓発するとともに、管理職の資質・能力や教員の教科指導力などの向上に関する研修を一層充実させるなどして、教育課題の解決策や教員の多様な学びを創造する研究・研修の中核的な機関としての役割を担っていけるよう取り組んでいく」と述べた。
星克明委員(自民党・道民会議)の質問に答えた。
(道・道教委 2023-03-07付)
その他の記事( 道・道教委)
29、30日高校生が販売 地域連携で商品開発に挑戦! 地学協働活動inどさんこプラザ
道教委は、29日から2日間、札幌駅構内西改札口付近のどさんこプラザ札幌店で、高校生が実習で生産した商品や企業等と連携した商品を販売する「地学協働活動(高校生チャレンジ)inどさんこプラザ」...(2023-03-14) 全て読む
市町村の部活動地域行へ道教委 14局との連絡会議開催 5年度市町村支援へ備え
道教委は7日、部活動の地域移行に係る市町村支援会議をオンラインで初開催した=写真=。各管内において市町村の取組を支援する体制を整備するために今回初めて開催したもの。14教育局の担当者が出席...(2023-03-10) 全て読む
上川3市町が取組成果報告 移動の財源に大きな壁 部活動改革推進へ意見交換
道教委は7日、スポーツ庁の委託を受けて名寄市・鷹栖町・比布町の3市町が取り組む地域スポーツ連携・協働再構築推進プロジェクトの成果報告会を開催した。子どもたちを対象に実施した運動・スポーツの...(2023-03-09) 全て読む
不審者侵入防止へ道教委 校門管理など再確認を 対応手順や具体例を周知
道教委は3日付で通知「学校における不審者の侵入防止について」を道立学校や市町村教委など関係者に送付した。①校門・校舎入り口の管理・施錠手順②来訪者の受付手順や識別方法③児童生徒の避難や警察...(2023-03-08) 全て読む
道教委 ICT活用した公開保育 幼小の円滑な接続へ研鑚 札幌ゆたか幼の自由活動配信
道教委は1日、ICTを活用した公開保育を実施した。札幌市内の認定こども園札幌ゆたか幼稚園(丸谷雄輔園長)における自由活動の様子を配信。グループ協議や、札幌国際大学短期大学部の平野良明学長に...(2023-03-08) 全て読む
道教委 ネイパル利用者満足度調査 「満足」 森がトップ 全施設が「やや満足」以上9割超
道教委は、道立青少年体験活動支援施設(ネイパル)6施設の4年度利用者満足度調査結果をまとめた。清潔さや快適さ、利用しやすさ、事業内容、食事、料金などについて調査。総合評価では、森が「満足」...(2023-03-07) 全て読む
5団体4個人に栄誉 後志局 管内教育実践表彰
【小樽発】後志教育局は4年度管内教育実践表彰の受賞者を決定した。学校教育では小樽市立山の手小学校、古平町立古平小学校、小樽桜陽高校、寿都町小中高連携推進委員会、寿都町立寿都小学校の千葉慎也...(2023-03-07) 全て読む
リズム運動動画コンテスト入賞作 楽しく踊って体力アップ 道教委 9校入賞、動画配信中
道教委は児童生徒の体力向上と運動習慣確立を図る啓発動画「みんなでムーブ(キタキツネ)」リズム運動動画コンテストの4年度優秀作品を発表した。千歳市立北栄小学校をはじめ9チームの作品が受賞。こ...(2023-03-06) 全て読む
道教委 近美リニューアル構想素案 ウィズ・キッズ理念に 何度も訪れたくなる展示を
道教委は、道立近代美術館リニューアル基本構想(中間報告)の素案をまとめた。同館の目指す姿、施設整備の基本的な考え方、今後の進め方などを整理。教育に関わっては、コンセプトの一つに「ウィズ・キ...(2023-03-06) 全て読む
5年度 チェックリスト提供も 全14管内で説明会開催 市町村のケアラー支援へ道
道は新年度から、全市町村を対象とするケアラー支援に向けた説明会を14管内で開催する。市町村が取組状況を確認・管理するチェックリストを提供するほか、課題を有する市町村にアドバイザーの派遣を通...(2023-03-03) 全て読む