札幌市教委　５年度教育方針説明会　縦の継続、横の連携を　学校教育の重点など説明

（札幌市 2023-03-13付）

　札幌市教委は８日、札幌サンプラザで５年度教育方針説明会を開いた。５年度学校教育の重点の概要や各部所管事項などについて説明。開会あいさつに立った檜田英樹教育長は、時代が変わってもぶれずに取り組む「縦の継続」、学校を地域コミュニティーの核として面で捉え人や取組をつなぐ「横の連携」を意識した学校運営などを呼びかけた＝写真＝。

　開会あいさつに立った檜田教育長は、４年度の道内初の公立夜間中学・市立星友館中学校の開校に続き、５年度は市内初の義務教育学校となる福移学園が開校することに触れ「学校と家庭・地域が目指す子どもの姿を共有し、手を携え、途切れることなく子どもに寄り添い見守り、育んでいく取組が進められる」と期待した。

　一方、新しい教育の在り方は新しい学校のみに求められるものではなく「札幌市全体としてどう取り組んでいるかが問われており、どの学校でも向き合っていかなければならない」と課題を示した。

　新型コロナウイルス感染症の拡大、１人１台端末の導入、部活動の地域移行など、教育を取り巻く課題は大きく変化している。予測困難な時代を乗り越えていくため「“縦の継続”を意識した学校運営が大切」と強調。時代を的確に捉え、時代が変わってもぶれない取組を意識するよう求めた。

　併せて「横の連携」を心がける重要性を示した。コミュニティ・スクールの導入に向けた検討が本格化していることなどを踏まえ「学校を地域コミュニティーの核として面で捉え、人をつなぎ、学校の取組をつなぎ合わせていくことが求められる」とした。

　「知・徳・体の調和の取れた育ち」など、学校運営を進める上で基礎となる考えを確認。これらを育む上で「子どもの主体性を大切にすること」を最も意識すべきと強調した。

　過日、市内全ての児童生徒の手でつくり上げたさっぽろっ子宣言「プラスのまほう」の思いに触れ「教委と学校、家庭、地域が手を携え、どのような取組を進めていくべきか共に考えていきたい」と述べ、各学校でも同様の取組が進むよう期待した。

　５年度学校教育の重点については「ふるさと札幌における学び・成長に誇りを持てる教育」を新たに総括として位置付けたことを紹介し「子どもの“札幌っていいな”という思いを育んでほしい」と呼びかけた。

　最後に、より良い環境であり続ける“ウェルビーイング”の考え方を踏まえ「子どもたちはもちろん、保護者、教職員、関係機関を取り巻く学習環境、家庭環境、労働環境がより良い状況となり、それらが続くよう、各種教育施策に学校と共にしっかりと取り組んでいく」と意気込んだ。

(札幌市 2023-03-13付)