オール檜山学び合いプロジェクト 授業改善のポイントは 3中学校でフォローアップ研(道・道教委 2023-03-15付)
ICTを活用しながら授業を進める乙部中の小林教諭
【函館発】檜山教育局は6、9日の2日間、オール檜山「学び合い」プロジェクトPlus~授業力UPセミナー・フォローアップを管内3中学校で実施した。道教育大学附属旭川小学校の斉藤誠副校長が若手教員の数学科の授業を視察。うち乙部町立乙部中学校(宮腰屋由校長)では、生徒とのコミュニケーションを意識した板書の工夫や展開を予想させるためのICT活用などについて助言。若手教員の授業改善に向けたポイントを指摘した。
檜山局は、管内の中学校で数学科を担当する若手教員6人を対象に、昨年11月から4回の研修を実施。斉藤副校長が講師を務め、単元の指導計画の作成やICTの活用を講義したほか、作成した指導案をもとに授業実践後の課題交流などを行う実践的な研修を重ねてきた。
今回、4回の研修を終えた受講者に対し、斉藤副校長と檜山局の指導主事が実際の授業を確認し、フォローアップする場を設定。6日には奥尻町立奥尻中学校、9日には乙部中とせたな町立大成中学校を訪れた。
うち9日に乙部中で行われた研修では、小林徹教諭の2年生数学科「データを比較して判断しよう」(生徒数8人)の授業を視察。
全国各地における複数の気温データをもとに、一番気温が高い地方を説明することを目標とした学習で、生徒は箱ひげ図や1日ごとの気温の折れ線グラフと温度ごとの頻度を示す「ヒストグラム」を参考データとしながら授業を進めた。
生徒はデータの分布の傾向を比較しながら考えの根拠を1人1台端末上のミーティングアプリ・チームズに記入。書き込みはプロジェクターに提示されるとともに、生徒のPC画面で確認できる仕様となっている。
小林教諭は、チームズに書かれた生徒の考えをもとに、授業を展開。生徒は気温の平均値や最高値、最低値、中央値などをもとに「大阪府が一番暑い。理由は平均値が高く、最高値と最低値の幅が狭いから」などと考えを発表した。
別の生徒は箱ひげ図をもとに回答を提示。「埼玉県が一番暑い。箱ひげ図の箱が右方向にあり、最高値が高いから」などの意見が上がった。
小林教諭は授業のまとめとして「利用するグラフによって見方が変わることがある。箱ひげ図で判断できない場合、ヒストグラムと関連付けると判断できる」と説明した。
授業後の協議で斉藤副校長が助言。「教員と生徒が対話しながら、授業が進められていた。口頭とPC画面による2つのコミュニケーションが良かった」と評価した。
今後の授業改善に向けては「生徒相互のコミュニケーションでは、どの場面で、何を話し合うのかを決めておくことが重要」「ICT活用では、全てを生徒に見せるのではなく、見せない部分をつくることも大切」「ノートなどに自分の考えを書かせると、生徒の学びの跡が見えるので効果的」などとアドバイスした。
取組を見守った田中努教頭は「教員は学び合いプロジェクトにチャレンジ精神で取り組んできた。今後は、グループやペアによる活動、デジタルとアナログの融合を生かした学習を進めてもらえれば」と期待を寄せた。
(道・道教委 2023-03-15付)
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