郷土学習や地学協働など 9教育局が事業成果報告 地域理解や主体性向上に成果
(道・道教委 2023-03-16付)

 道教委は13日、教育局による政策プレゼンテーション実施報告会をオンラインで開催した。9教育局の局長が本年度局独自で実施した事業内容を報告。地域の教材を活用したふるさと学習、中高生による政策提案など創意工夫あふれる様々な実践を発表し、参加した子どもたちの成長など得られた成果を共有した。

 教育局による政策プレゼンテーションは2年度から開始。昨今の社会情勢を踏まえた教育課題の解決に向け、本庁と教育局が各管内における具体的な課題や解決方策、成果の見通しを共有して実効性ある取組の推進に資することを目的としている。

 報告会では4年度の事業採択となった石狩、後志、胆振、渡島、上川、宗谷、オホーツクの7教育局と独自で事業展開している空知、留萌の9教育局の局長が発表した。

 このうちオホーツク局の野上義秀局長は、地域の産業や観光学習、他管内との生徒間交流などを通して、ふるさとに思いをはせる心の醸成を図る「オホーツクきゅんとしてGOODプロジェクト」の取組内容を報告。「自分のまちの良さに気付いた」と回答した生徒の割合が9割を上回り、地域の良さや課題への理解が深まるなどの成果を示した。

 上川局の岸本亮局長は「地域企業とのwin―winの関係を築くkamikawa未来人(みらいびと)プロジェクト」の事業成果を報告。探究的学習の質の向上に向けた地学協働実践研修会などの成果をもとに5年度は学校と地域が地域の課題を共有する「未来人ミーティング」の開催や地域課題解決に向けた探究型学習を推進するパイロットスクール「未来人実践校」の指定を計画していることを伝えた。

 後志局の川端香代子局長はゼロカーボンをテーマに管内の中高生がチームとなって政策提案に取り組んだ「Meet up Action for ShiriBeshi」の取組を報告。成果発表会ではゼロカーボン実現に向けた様々な提案が行われ「ゼロカーボンと自分とのつながりの理解」「主体的に関わる意識の醸成」などの児童生徒の変化がみられたことから「次年度以降も振興局と連携し、地域の協力も得ながら取組を進めていきたい」と意気込みを語った。

 渡島局の柴田亨局長は、縄文文化の継承をテーマに小中高4校の協力校で探究的な学習に取り組む「渡島フロンティア人材育成事業」を報告した。4校合同で実施した青森県の視察研修が子どもたちへの大きな刺激となり、縄文の継承・活用をテーマに地域の大人たちと語り合う「南茅部の縄文について語る会」開催につながるなど、子どもたちが情熱を傾けて取り組んでいる様子を紹介し、今後は道内外における学びの発信や探究活動の深化を図っていく考えを示した。

 各局長からの発表を受け、倉本博史教育長ら幹部が講評。次年度に向けた改善策を提案したほか、取組の一層の推進に向けてエールを送った。

(道・道教委 2023-03-16付)

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