8団体1個人に栄誉 十勝局 管内教育実践・活動表彰(道・道教委 2023-03-16付)
芽室中
【帯広発】十勝教育局は、4年度管内教育実践・活動表彰の受賞者を決定した。教育実践表彰の学校教育では、芽室町立芽室中学校、帯広市立広陽小学校、幕別町立糠内中学校、新得町立新得幼稚園、帯広三条高校、鹿追高校の6校・園、鹿追町認定こども園しかおいの阪口洋平教諭、社会教育では子育てサロンおとぷけ通りくるみが受賞。教育活動表彰は音更町立木野東小学校が栄誉に輝いた。きょう16日から新山知邦局長らが受賞団体等のもとを訪れ、表彰状を授与する。
◆教育実践表彰
【学校教育】
▼芽室町立芽室中学校(尾崎俊明校長)
生徒により良い人間関係を築く力を育むため、中1ギャップ問題の解消および未然防止に向けた教育活動の改善に組織的・計画的に取り組み、大きな成果を上げている。
特に、加配教員が小学校でチーム・ティーチングによる学習指導を行ったり、授業後に児童の実態について学級担任と交流したりする「円滑化訪問」を実施するなど、第6学年児童の中学校入学への不安感の軽減に向けた個に応じた生徒指導の充実に努めている。
また、子ども理解支援ツール「ほっと」を活用し、客観的数値に基づく生徒理解を行い、日常的な指導に生かすなど、組織的な生徒指導力の向上を図る取組を推進しており、管内教育の発展に寄与する実践として高く評価されている。
▼帯広市立広陽小学校(野田淳校長)
児童に義務教育9年間を通じて育成を目指す資質・能力を育むため、「社会に開かれた教育課程」の実現に向けた教育活動の工夫改善に組織的・計画的に取り組み、大きな成果を上げている。
特に、中学校区における小・中学校の管理職および中核となって取組を推進している教員が、定期的に部会ごとの協議を行い、児童の学びの充実を図るための働き方改革や授業改善に取り組むなど、小中連携による学校力向上に努めている。
また、中学校区の各学校における「学習の約束」と「生活のきまり」について、9年間を見据え、系統的に整理するなど、小・中学校の円滑な接続に向けた取組を推進しており、管内教育の発展に寄与する実践として高く評価されている。
▼幕別町立糠内中学校(田中幹也校長)
生徒に義務教育9年間を通じて育成を目指す資質・能力を育むため、小中一貫教育を通して、ICTを活用した授業改善および業務改善に組織的・計画的に取り組み、大きな成果を上げている。
特に中学校区の小学校と連携し、ICTを活用した授業実践の交流や、外部講師を招き、小・中学校の全教職員を対象に教科の学びを深めるための1人1台端末の活用に係る学習会を設定するなど、教師の指導力の向上に努めている。
また、校内のスケジュールや連絡事項、会議における資料等をクラウド上で一元管理するなど、教職員の打ち合わせや職員会議、校務分掌に係る業務の効率化を図る取組を推進しており、管内教育の発展に寄与する実践として高く評価されている。
▼新得町立新得幼稚園(鈴木貞行園長)
小学校段階を見据えた「幼児期の終わりまでに育ってほしい力」を育むため、幼保小連携の充実に向けた実践に組織的・計画的に取り組み、大きな成果を上げている。
特に「幼児期の終わりまでに育ってほしい力」を「生活する力の芽、学ぶ力の芽、人とかかわる力の芽」の「3つの芽」として具体的に設定した「新得町アプローチカリキュラム」を作成し、小学校におけるスタートカリキュラムとの接続を図るなど、小学校との円滑な接続に努めている。
また、小学校職員の「施設訪問・交流」を設定し、「3つの芽」をもとに情報交流を行うなど、小学校の新入学児童に対する実態把握を促す取組を推進しており、管内教育の発展に寄与する実践として高く評価されている。
▼帯広三条高校(合浦英則校長)
3年度から「北海道CLASSプロジェクト」の指定を受け、社会に直結した学びを展開するため、総合的な探究の時間のプログラム開発、および地域コーディネーターを活用した外部体験型教育プログラムの構築に取り組み、大きな成果を上げている。
特に、主体的・対話的で深い学びを実現するため、教育活動の可視化と各教科のシラバス改善を進め、個別最適な学びおよび教科等横断的な学びを改善することで、授業の質的転換と向上につなげている。
また、探究コンソーシアムを設置し、教育課程の中で地域(教育機関や自治体、地元企業等)と協働した教育活動を展開し、「令和の日本型学校教育」の構築に向けた取組を先進的に行っており、管内教育の発展に寄与する実践として高く評価されている。
▼鹿追高校(俵谷俊彦校長)
鹿追町の自然や施設をはじめ、地域住民や北海道大学の教員を指導者とし、生徒が身に付けるべき資質・能力を育成するため、探究的な学びを行う「鹿追創生プロジェクト」を軸とした活動に取り組み、大きな成果を上げている。
特に、3年度から「国際探究コース」を設置するとともに、中高一貫教育の強みも生かし、中高における英語力早期強化の一環として、カナダへの短期留学を行うなど、鹿追町と連携した教育課程の編成を行っている。
また、外部講師による部活動の指導や、道内外の大学生による個別指導形式のオンライン公設塾の実施等を通して、個別最適な学びの保障に取り組んでおり、管内教育の発展に寄与する実践として高く評価されている。
▼阪口洋平教諭(鹿追町認定こども園しかおい)
長年にわたり、幼稚園教諭として「幼児期の終わりまでに育ってほしい力」を育むため、地域資源を活用した教育活動の充実や教員の教育力向上に係る研究を推進し、大きな成果を上げている。
特に、自然体験等を通した子どもの健やかな育成を図る取組や、子どもの主体的な遊びを促す教師の役割を明確にした教育を実践するとともに、多くの研究大会で提言者としてその成果を発信するなど、全道の幼児教育に貢献している。
また、幼児期と小学校の円滑な接続を図るスタートカリキュラムを編成するための中心的な役割を担うなど、幼保小連携の充実を図る取組を推進しており、管内教育の発展に寄与する実践として高く評価されている。
【社会教育】
▼子育てサロンおとぷけ通りくるみ(音更町家庭教育支援チーム・中村友子代表)
元年7月の開所以降、子育てに困り感を抱える保護者に寄り添うとともに、学びの機会や交流の場を提供するなど、地域における家庭教育支援体制の充実に大きく貢献している。
特に、町で実施する各種健診等において、保護者が支援を必要とした場合、町の保健師と子育てサロンが連携して保護者の不安の解消を図っており、行政と民間による取組が進められている。
また、当初は利用者だった方が、つぎは誰かのために役立ちたいと思い、現在ではボランティアとして活動を支えるなど、地域における家庭教育支援の輪が広がっている。
◆教育活動表彰
▼音更町立木野東小学校(舘田真校長)
地域全体の交通安全に係る意識を高める取組を進めるとともに、児童自身が交通ルールを順守し、命を守ることの大切さについての理解を深めるため、地域と連携した交通安全教育の推進に向けて、組織的・計画的に取り組み、大きな成果を上げている。
特に、教育委員会や警察等と連携した校区内の危険個所に係る合同点検や、中学校区の教職員と地域住民が連携した登下校の交通安全状況に係る合同点検を実施するなど、関係機関と連携を図りながら児童の命を守る安全管理の充実に努めている。
このほか、児童の視点に立って作成した「新通学路安全マップ」を活用し、児童の実感が伴う交通安全指導に取り組み安全意識の高揚を図るなど、児童が主体的に考える授業改善を推進し、管内教育の発展に寄与する実践として高く評価されている。
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帯広広陽小
幕別糠内中
新得幼稚園
帯広三条高
鹿追高
こども園しかおい・阪口教諭
おとぷけ通りくるみ
音更木野東小
(道・道教委 2023-03-16付)
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