改定いじめ防止基本方針を了承　積極的認知徹底など要点　学校取組プラン　４月策定へ

（道・道教委 2023-03-20付）

いじめ防止基本方針改定のポイント（クリックすると拡大表示されます）

　５年度から始まる道いじめ防止基本方針の改定案が１６日の道教委の教育委員会会議で了承された。積極的ないじめの認知の徹底による「いじめ見逃しゼロ」や生徒指導の基盤となる「発達支持的生徒指導」の推進、警察をはじめとする関係機関との一層の連携強化などいじめ問題の克服に向けた方向性を示した。知事部局での決定を経て正式に成立し、３月中に各市町村教委や学校に通知する。

　道いじめ防止基本方針は平成２６年度に策定。重大事態に至る事案の増加などいじめ問題の現状や課題、社会情勢の変化などを踏まえて２度目の改定を行う。

　主な改定内容をみると、望ましい人間関係を構築する能力の育成を図るため、全ての児童生徒を対象に教育課程内外全ての教育活動で進める「発達支持的生徒指導」やいじめの未然防止教育の推進を明記。また、法に基づくいじめの積極的な認知と早期からの組織的対応の徹底に向けて積極的ないじめを認知することで「いじめゼロ」ではなく「いじめ見逃しゼロ」を目指すことを掲げた。

　関係機関との連携強化では、市町村や学校単独で解決が困難な事案に専門家の知見を得て助言する道教委の「いじめ問題緊急支援チーム」、警察との連携体制のほか、警察への相談・通報を行ういじめの具体例を記載している。

　インターネットの適切な利用を図る学校、保護者、道の役割も示し、学校においては情報モラル教育の推進やインターネット上のいじめへの対処、保護者においては利用状況を適切に把握・管理する。

　このほか、総合教育会議におけるいじめ問題の協議・調整、性暴力の防止に向けた「生命（いのち）の安全教育」の推進、市町村教委と学校法人の連携、性的マイノリティーなど多様な背景を持つ児童生徒への適切な支援について追記した。

　道教委は、改定方針の内容や趣旨を５年度当初の校長会や市町村教委の職員を対象とした様々な会議で説明し、対策の着実な推進を図る。さらに、方針に基づく学校の具体的な取組を分かりやすくまとめた「道学校いじめ防止取組プラン」を４月上旬ごろに策定し、周知する予定だ。

(道・道教委 2023-03-20付)