3団体4個人が受賞 胆振局 管内教育実践表彰(道・道教委 2023-03-22付)
登別幌別小
【室蘭発】胆振教育局は、4年度管内実践表彰の受賞者を決定した。学校教育分野では登別市立幌別小学校や伊達緑丘高校など2団体4個人が受賞。社会教育分野では室蘭市の「くるくるネット」が選出された。針ヶ谷一義局長が受賞校などを訪問し表彰状を授与する。
受賞者の功績概要はつぎのとおり。=敬称略=
◆学校教育
【団体】
▼登別市立幌別小学校(柴田政人校長)
「学校力向上に関する事業改善の実践」
3年度から「学校力向上に関する総合実践事業」における地域指定の中核校として「社会に開かれた教育課程の実現」と「質の高い教育活動を持続的に行う働き方改革」を柱に、実践の成果の普及・啓発を行った。
「社会に開かれた教育課程の実現」では、個別最適な学びと協働的な学びを実現する学習指導の研究、専科教員による学校間が連携した学習指導と学習環境の形成、ICT機器の効果的な活用を踏まえた校内研修の充実など、積極的に授業改善に取り組み、指導力向上につなげた。
「質の高い教育活動を持続的に行う働き方改革」では、事務職員が校務運営に参画し、ICTに係る環境整備と授業サポート、学級担任業務の移管、指定地域内の集金業務の外部化の先行的実施など、教員の業務軽減と効率化を推進した。
また、取組の成果について、市内の小・中学校はもとより、地域協議会や学校公開等で発表するなど管内教育の充実・発展に大きく貢献した。
▼伊達緑丘高校(保格秀規校長)
「ボランティア活動を通した探究活動の推進」
閉校を迎えるに当たり、同校40年間の歴史を支えてくれた地域へ恩返として「生徒が主体で100個のボランティアを行うこと」を全生徒・全教職員で目標設定してボランティア活動を始めた。
「生徒が地域の課題を発見し、自らがボランティアを行い解決する」探究活動を通して地域貢献を図るとともに、生徒の課題解決に向けた主体的・協働的な活動の推進に大きな成果を上げた。
【個人】
▼澁谷吏樹丸(白老町立萩野小学校教諭)
「授業改善の推進と授業力向上」
白老町の学力向上策である「白老町スタンダード」を具現化し、学習過程の各段階において押さえるべきポイントや学習活動の評価の視点を明らかにすることで、教員の共通実践を促進させるとともに講師として、学校の課題に応じてミニ研修を行い、日常的な授業づくりにおける授業改善のポイントを共有し、児童の学力向上に大きな成果を挙げた。
また、3年度に「授業改善推進チーム活用事業」において授業改善推進教員を務め「指導と評価の一体化」の実現に向けた授業改善サイクルの確立に取り組むなど管内の学力向上に貢献した。
▼東山志穂里(苫小牧市立ウトナイ小学校教諭)
「体育科指導の充実」
体育専科教員として、児童の体力向上を目指した実践的な取組のほか、体育科指導の充実に努め、創意工夫に満ちた教育活動を展開した。
特に授業時間外に「元気タイム」と称した体力づくりの場を設け、ダンスや縄跳び等の運動を通じて、体を動かすことの楽しさを伝えるとともに、児童一人ひとりの日常的な運動量の確保に取り組んだ。
また、タブレット端末を効果的に活用し、授業のねらいを視覚的に児童に伝えることで学びの質を向上させたほか、管内の研修講座等で授業づくりの考え方やPDCAサイクルを用いた授業改善の方法について講師を務めるなど、授業実践の成果を広く発信することにより、管内教育の発展に大いに貢献した。
▼吉井真裕(登別市立幌別小学校教諭)
「外国語科指導の充実」
より楽しく、できるだけ英語を使う場面を授業に位置付けた学習過程を工夫するとともに、専科教員やALTによるTeacherトーク、縦横Q&A、消しゴムトーク、手拍子トーク、ワードカウントなどを行うSmall Talkを帯活動として取り入れ、児童の意欲と定着を高めた。
また、言語学習の視点からコミュニケーション活動への積極性を促し、学校外とビデオやオンラインによる交流活動に積極的に取り組むほか、他校の外国語専科教員や中学校の外国語科担当教諭と情報交流を行うとともに、学校公開や地域協議会等を通して、市内及び広く管内に発信するなど管内教育の発展に大いに貢献した。
▼宮川萌(伊達緑丘高校教諭)
「科学教育振興活動の推進」
長年にわたり、学校教育と地域の社会教育を結ぶ科学コミュニケーション・ボランティア活動をライフワークとして、勤務校の生徒と共に行ってきた。
また、地域の自然活動団体と協働して総合的な探究の時間の教材化を図り、地学探究学習の先駆けとなるモデルを実施するとともに、これらの成果を科学部で研究発表するなど本道の科学教育の充実に大きく貢献した。
◆社会教育
▼特定非営利活動法人くるくるネット(室蘭市)
「子どもの学習支援活動」
3年2月に子どもと大人の居場所「クルハウス」を開設し、学生ボランティアが子どもたちに学びの支援を行っている。
子どもたちは、学校の勉強で分からなかったことやできなかったことを学生ボランティアから教わるだけではなく、勉強・遊び・体験によって子ども同士のコミュニケーションを深め、青少年の健全育成に大きく貢献している。
また、ICT活用による子どもの可能性を広げることに寄与することを目的に子どもを対象としたプログラミング道場等のICT支援の取組を進めている。
この記事の他の写真
伊達緑丘高
白老萩野小・澁谷教諭
苫小牧ウトナイ小・東山教諭
登別幌別小・吉井教諭
伊達緑丘高・宮川教諭
くるくるネット
(道・道教委 2023-03-22付)
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