道教委×北大 探究チャレンジ北海道 25高校が探究成果披露 優秀賞5校 静内農に知事賞(道・道教委 2023-03-14付)
道教委と北海道大学は11日、札幌市内の北海道大学学術交流会館でS―TEAM教育推進事業成果発表会兼探究的な学習活動におけるIT・データサイエンス活用促進事業成果発表会「探究チャレンジ・北海道」を開催した。道内から選ばれた25校の高校生たちが地域や社会の課題解決に向けた探究活動の成果を披露。提案の具体性、実現の可能性、実効性の面で特に優秀とされた5校が選ばれ、最優秀賞となる道知事賞には乗馬によるストレス軽減の効果を科学的に検証した静内農業高校が輝いた。
3年3月に道、札幌市、北大、㈱ニトリホールディングスの4者が締結した4者協定による協力のもと、道教委が4年度から開始したS―TEAM教育推進事業の一環。全道10地域で発表を行った探究チャレンジプロジェクト、大学、研究機関、企業等と連携して探究活動を実施した社会との共創推進プロジェクトの代表校や市町村立高校など25校から84人の高校生が出場した。
開会に当たり倉本博史教育長は今後の社会で求められる資質・能力に触れ「今回取り組んでもらった探究活動は、今、社会で求められている情報活用能力、課題解決能力、表現力、コミュニケーション能力などを向上させるもの。これまで取り組んできた努力の成果を自信を持って発表して」と期待した。
続いて高校生たちがポスターセッションで発表。テーマは環境問題、地域産業の収益性の向上、障がいへの理解促進、人口減少を踏まえた新サービスの提案など多岐にわたり、調査、実験、情報収集の過程や分析結果を堂々と発表。いずれも高校生ならではの豊かな発想と創造性にあふれ、地域や社会の課題解決、新たな価値の創造に向けて熱弁を振るった。
うち静内農業高は、乗馬中の心拍変動や唾液中のコルチゾール濃度など様々な実験を通して乗馬によるリラックスやストレス軽減の効果を発表。今後はウマの精神状態も検証し、家畜自身のストレスや苦痛の少ない飼育環境を目指す「アニマルウェルフェア」につなげる考えを示した。
壮瞥高校は果樹廃木の木炭への再利用、地元企業との連携による特産品コーヒーの開発など地域資源の有効活用を図る取組を発表。釧路湖陵高校は牛乳に含まれるタンパク質を主成分とするガゼインプラスチック作成の実験結果を日本語と英語で発表した。
名寄高校はリユースに関する現状調査の結果を踏まえ販売回転率を上げるニトリの新サービス「転勤応援キャンペーン」を提案し、サービスの宣伝動画を紹介した。
旭川農業高校は、上川町の新たな魅力を追加するために地元木材を使用して製造したオリジナル酒升を発表。今後製品化して賞品のPR活動に取り組むことを伝えた。
最後に審査結果による表彰校を発表。鈴木直道知事は「課題解決の取組を具体的に実行する能力」「個人から地域、社会、日本、世界へと分野を広げていく人材」が今後の世界で求められているとし、各校いずれも高いレベルの発表だったとたたえ「代表校として出場したことに胸を張り、誇りを持ってほしい」と呼びかけた。
道教委は5年度、全道成果発表会にオンラインで他都府県の高校生と北海道の高校生の発表・交流を取り入れた「探究チャレンジ・ジャパン」の開催を計画。6年度は、アジアを中心とした海外の高校生を対象とする「探究チャレンジ・アジア」の開催を計画しており、取組の拡大を図っていく方針だ。
表彰校はつぎのとおり。
▼北海道知事賞=静内農業高
▼札幌市長賞=壮瞥高
▼北海道大学賞=釧路湖陵高
▼ニトリ賞=名寄高
▼英語発表部門賞=釧路湖陵高
▼ゼロカーボン探究賞=旭川農業高校
(道・道教委 2023-03-14付)
その他の記事( 道・道教委)
檜山局 部活動の地域移行説明会 地域や保護者に説明を 伊達市教委・櫻井氏が講話
【函館発】檜山教育局は10日、管内部活動の地域移行説明会をオンラインで実施した。管内7町教委の担当者約20人が出席。伊達市教委の櫻井貴志教育部長による先進事例の講話や各町における検討状況の...(2023-03-16) 全て読む
部活動地域移行へ道教委 新人材バンク運用開始 各地の指導人材確保を支援
道教委は部活動の地域連携・地域移行に向けた指導者確保のため「ほっかいどう部活動・地域クラブ活動サポーターバンク」の運用を開始した。従来の部活動サポーターバンクをリニューアルしたもので、部活...(2023-03-15) 全て読む
財源と金額設定が課題 道教委 スポーツ指導者発掘へ調査 謝金希望8割、時間平均2286円に
道教委は旭川市を中心としたスポーツ指導者の発掘に係るアンケート調査結果をまとめた。部活動の地域移行によって指導者となる場合、謝金を希望する回答者の割合は77%で、希望金額の平均は1時間当た...(2023-03-15) 全て読む
オール檜山学び合いプロジェクト 授業改善のポイントは 3中学校でフォローアップ研
【函館発】檜山教育局は6、9日の2日間、オール檜山「学び合い」プロジェクトPlus~授業力UPセミナー・フォローアップを管内3中学校で実施した。道教育大学附属旭川小学校の斉藤誠副校長が若手...(2023-03-15) 全て読む
帯広美術館 オンラインアート教室 ネイパル等に対象拡大 4月から事業特化の特別展
【帯広発】道立帯広美術館は5年度、オンラインアート教室事業の実施対象を道東4管内の学校、市町村教委、道立社会教育施設等に広げる。また、4月から同事業に特化した特別展「丘の上のミュージアムと...(2023-03-14) 全て読む
29、30日高校生が販売 地域連携で商品開発に挑戦! 地学協働活動inどさんこプラザ
道教委は、29日から2日間、札幌駅構内西改札口付近のどさんこプラザ札幌店で、高校生が実習で生産した商品や企業等と連携した商品を販売する「地学協働活動(高校生チャレンジ)inどさんこプラザ」...(2023-03-14) 全て読む
市町村の部活動地域行へ道教委 14局との連絡会議開催 5年度市町村支援へ備え
道教委は7日、部活動の地域移行に係る市町村支援会議をオンラインで初開催した=写真=。各管内において市町村の取組を支援する体制を整備するために今回初めて開催したもの。14教育局の担当者が出席...(2023-03-10) 全て読む
上川3市町が取組成果報告 移動の財源に大きな壁 部活動改革推進へ意見交換
道教委は7日、スポーツ庁の委託を受けて名寄市・鷹栖町・比布町の3市町が取り組む地域スポーツ連携・協働再構築推進プロジェクトの成果報告会を開催した。子どもたちを対象に実施した運動・スポーツの...(2023-03-09) 全て読む
不審者侵入防止へ道教委 校門管理など再確認を 対応手順や具体例を周知
道教委は3日付で通知「学校における不審者の侵入防止について」を道立学校や市町村教委など関係者に送付した。①校門・校舎入り口の管理・施錠手順②来訪者の受付手順や識別方法③児童生徒の避難や警察...(2023-03-08) 全て読む
道教委 ICT活用した公開保育 幼小の円滑な接続へ研鑚 札幌ゆたか幼の自由活動配信
道教委は1日、ICTを活用した公開保育を実施した。札幌市内の認定こども園札幌ゆたか幼稚園(丸谷雄輔園長)における自由活動の様子を配信。グループ協議や、札幌国際大学短期大学部の平野良明学長に...(2023-03-08) 全て読む