美幌町5年度教育行政執行方針 小中全学級に電子黒板 学習環境の整備・充実へ(市町村 2023-04-05付)
矢萩浩教育長
【網走発】美幌町教委の矢萩浩教育長は、第2回定例会で5年度教育行政執行方針を説明した。ICT教育を推進するため、電子黒板を小・中学校の全学級に導入し、さらなる学習環境の整備・充実を図る。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼学校教育の推進
▽確かな学力の向上
確かな学力向上のため、チーム・ティーチングや習熟度別指導を行い、道教育委員会のチャレンジテストやNRT(全国標準学力検査)、全国学力・学習状況調査を活用し、結果を分析して授業改善に役立てるなど、基礎的・基本的な知識や学習内容が身に付くよう取組を進めていく。
主に小学校の算数科と国語科においては、低・中学年を中心にきめ細かな指導のため教育支援員を継続配置し、全学年において確かな学力の定着に取り組む。
ICT教育の推進においては、電子黒板を小・中学校の全学級に導入し、学習環境の整備・充実を図る。
小学校の35人以下学級については、国や道の少人数学級事業の動向を見据えながら、引き続き町費による臨時教員の配置を継続して、小学1年生を対象に30人以下学級を実践し、児童一人ひとりの理解度や興味・関心を踏まえた学習指導体制を整備していく。
小中一貫教育では、引き続き調査・研究を行い、小中一貫教育推進ビジョンの策定を目指すとともに、小・中で連携した事業に取り組むほか、小中一貫教育推進講演会を開催するなど、教育関係者のみならず地域の皆さんの理解を深めるための取組を進める。
併せて、小・中学校における教員の相互交流や学校種間の連携、進路指導を見据えた特別支援教育における小・中の接続を強化するとともに、近年の少子化傾向を踏まえ、今後の児童生徒数の減少に対応した町立学校の最適化に向けた検討を引き続き進める。
▽授業改善の充実
授業改善の推進を推進するため、これまでの個の理解度に合わせた習熟度別指導や、オホーツク管内全体の学校が主体的に取り組んでいる「オールオホーツクで学力向上を!ロードマップ」の実践を引き続き生かし、前年度に設置した学力向上推進会議での取組内容の実践や、GIGAスクール構想によるICT機器の積極的な活用、教員の研修会への参加や外部講師による校内研修会の開催、さらには指導主事を2人体制に強化し、教員の指導力向上と授業改善を推し進め、課題解決学習の定着を図る。
▽健やかな身体の育成
子どもの体力が低下傾向にある中、日常の体育授業の充実をはじめ、教育活動全体を通じて運動量を確保し体力を培うほか、全ての学年で新体力テストに取り組み、家庭や地域と連携した児童生徒の運動機会を創出し、部活動や地域の少年団活動を奨励する。
児童生徒の体力向上、運動習慣の定着化を図るため、全国体力・運動能力、運動習慣等調査などの分析結果を踏まえた体力向上プランを作成し、取組状況を検証し体力向上に努める。
▽豊かな心の育成
いじめ問題の対応では、小さないじめも見逃さない学校づくりに向け、学校が一丸となって組織的に対応していく。このほか、関係機関や地域の力を積極的に取り込むことが必要であり、いじめは「どの子どもにも、どの学校でも起こり得る」との意識を再認識し「いじめは断じて許さない」という土壌を醸成し、迅速で適切な対応に努める。
読書活動について、学校図書館の活用推進のため小学校巡回司書の巡回日数を週2日に増やし、読書活動を支援するほか、教職員および児童生徒のニーズに応じた学校図書館の機能充実を図り、読書の習慣化につながる取組を進める。
▽教育相談体制の充実
教育相談室に教育専門相談員と不登校問題相談員を各1人配置し、不登校や問題を抱える児童生徒への家庭訪問や学校訪問による相談・支援を行うほか、サテライト授業によって個に応じた学習支援を行い、一人ひとりの心に寄り添いながら指導・支援する。
また、児童生徒の心のケアや、教職員・保護者の問題解決に向けた連携を強化するため全小・中学校にスクールカウンセラーを配置し、校内の教育相談体制の充実と早期対応に努める。さらに、全小・中学校で実施しているQ―Uテスト(楽しい学校生活を送るためのアンケート)を継続し、児童生徒個々の理解と対応方法、学級集団の状態を把握し、結果をもとに今後の学級経営に生かす。
▽特別支援教育の充実
学級編制に合わせて3人増員して28人を配置するとともに、特別支援教育関係者への研修会を実施し、個別の支援計画・指導計画の活用や保護者との相談を重ねて、関係機関と連携した効果的な支援を行う。
また、福祉・医療・教育等の関係機関の連携によって、乳幼児から就労後までの支援体制を切れ目なく、地域で一貫した相談および支援体制の構築を図り、児童生徒や保護者の多様化するニーズに対応した教育環境の整備に努めていく。
▽安全・安心な教育環境の充実
新型コロナウイルス感染症は、各学校において「学校の新しい生活様式」により感染対策に対応しているが、今後も継続して児童生徒と教職員の感染症予防対策の徹底とともに、国による業務支援員を配置しながら、施設の消毒・換気などを行い、持続的に児童生徒が安心して教育を受けられる環境整備に努めていく。
また、試行的に学校へ生理用品を配置していたが、子どもたちの心と体の健康を守り、不安のないよう学校生活を過ごすために継続配置していく。
▽地域と連携した学校づくりの推進
学校運営協議会制度の確かな推進と「3つのきょういく」応援団の協力、各学校運営協議会の情報共有や資質向上に向けた学校運営協議会連携会の運用によって、地域の子どもは地域で育てる仕組みを推進する。
▽高等教育への支援の充実
美幌高は、町外からの入寮希望者が増えている状況にあることから、入学者を呼び込む「地域みらい留学」制度は入学者確保に有効な手段であるため、引き続き積極的に取り組む。
このほか、未来農業科への入学機会に支障を来すことのないよう、報徳寮運営への継続支援や高校のGIGAスクール構想における1人1台端末整備のためタブレット端末の貸与、教育支援事業のポスター・学校案内の作製、模擬・検定試験費用、商品開発、農業科実習服や部活動強化支援などを進める。
(市町村 2023-04-05付)
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