道議会質疑 文教委員会(4年10月6日)
(道議会 2023-04-06付)

【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】

【質問者】

▼清水拓也委員(自民党・道民会議)

▼大越農子委員(自民党・道民会議)

▼宮川潤委員(共産党)

【答弁者】

▼池野敦教育部長兼教育職員監

▼唐川智幸学校教育監

▼中澤美明学校教育局指導担当局長兼学校教育局新型コロナウイルス感染症対策担当局長

▼伊賀治康教職員局長

▼山城宏一高校教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長

▼新居雅人義務教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長

▼髙橋宏明学力向上推進課長兼ICT教育推進課長

▼山下幹雄教職員課長

▼中嶋英樹教職員課働き方改革担当課長

=役職等は当時=

◆高校の魅力化

Q清水委員 これからの高校づくりに関する指針の改定版素案では、1学年3学級以下の高校を一律に再編整備する取り扱いが見直されるとともに、圏域での各高校の役割等を勘案した上で、小規模校であっても存続を図ることも可能となっている。

 少子化に伴う学校の一層の小規模校化が見込まれる中、道教委と地元の市町村が一体となって高校の魅力化などを図り、地域の教育環境の維持向上を図ることがこれまで以上に重要だと考える。

 現行の指針で示されている地域の取組を勘案した特例的取り扱いについて、どのような経緯で再編整備の留保期限を設けることにしたのか、また、留保期間の経過後も入学者を20人以上確保できなかった場合、どのような取り扱いになるのか伺う。

A山城高校教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長 再編整備の留保について。現行の指針における地域連携特例校等については、高校の教育機能の維持向上に向けた地域における具体的取組とその効果を勘案した上で、再編整備を留保する特例的な取り扱いを行っているが、所在市町村と学校が連携して様々な取組が進められているものの、一定の入学者数を継続的に確保することが難しい状況もあり、留保期間が長期化しているなどの課題が見られることから、このたび、地域との連携による高校の特色化や魅力化に集中的に取り組む期間を新たに設け、入学者の確保につながる効果的な取組を促進することとした。

 なお、この集中取組期間経過後も入学者数の増加が見込まれない場合や、取組期間内においても2年連続で第1学年の在籍者数が10人未満となった場合は、再編整備を進めることとしていることから、取組期間中における入学者数や中卒者数の見通し、地元進学率のほか、特色ある教育活動や地域と密接に連携した取組、その効果を総合的に勘案しながら、判断していく考えである。

Q清水委員 市町村との連携については、タブレットの支給や公設民営塾を開設している高校もあった。前年は、海外に修学旅行に行って見聞を広める、入学に当たってはユーチューブを配信したり、SNSを積極的に利用したり、生徒向けに英検、漢字検定などを支援するなど、様々な町村独自の取組をしている。一方、首長からは、道立高校ではあるが、町村が主体的にやっている、もう少し道の支援や連携がないのか、という疑問も寄せられた。道教委は今後、小規模校の特色化や魅力化に向け、地域とどのように連携する考えか伺う。

A山城高校教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長 地域との連携について。地域連携特例校等の小規模校が所在する市町村においては、高校の存続に向けて入学者への助成も含め様々な支援をいただいているところであり、また、道内各地域において、高校と産業界等が連携し地域課題への対応や高校の魅力化を高める地学協働の取組が広がりを見せているなど、高校の教育機能の維持向上を図る上で地域との結び付きは欠かすことのできない重要なものであると認識している。

 道教委としては、これまで、地域創生に向けた高校魅力化の手引を各道立高校や市町村に配布し、高校の魅力化の取組を推進してきたほか、このたびの指針の素案で示した、一定の圏域における協議の場において、関係する市町村の皆さんと高校に求められる機能や役割などについて認識を共有し、コミュニティ・スクールの導入やコンソーシアムの整備など、学校や地域の実情に応じた推進体制の構築に取り組みながら、小規模校をはじめ地域創生の核となる高校の特色化と魅力化、教育の質の向上につながる取組を地域と共に進めていく。

P清水委員 各振興局、教育局と教育委員会の連携は日ごろからあるのかなという気はするが、ぜひ首長とも積極的に関わっていただくことを求めたい。

Q清水委員 道教委は、5年度入選から道外からの出願に係る受け入れ条件を緩和した。道外から生徒を受け入れることは、入学者増につながるとともに、地元の子どもたちにとっても、より多様な価値観に触れる機会が得られるなどの教育的メリットがあり、受け入れの準備を実際に進めている市町村もある。今回、受け入れ条件を緩和した理由と、今後、道外からの入学者の受け入れについて、どのように取り組む考えなのか伺う。

A髙橋学力向上推進課長兼ICT教育推進課長 道外からの入学者の受け入れについて。道教委としては、高校を核とした地域創生の取組をより一層進める観点から、道外の生徒を広く受け入れることによって、道外で育った生徒が本道の魅力を深く知り、将来的に本道を支える人材育成につながる効果が期待できることや、本道の生徒にとっても道外出身の生徒と接する中で多様な価値観に触れることができるなど、様々な教育的効果が期待されることから、道内の受験者への影響を考慮しつつ、道外からの受け入れを拡大することとした。

 今後は、これまで道外からの受け入れを認めてきた農業科、水産科、総合学科を置く高校および地域連携特例校に加え、2学級以下の高校のうち、地域の教育資源を活用した特色ある教科、科目等を卒業までに3単位以上履修することができ、地域が責任を持って継続的に支援することが可能な道立高校において、地域や高校の希望なども考慮し、道外からの入学者の受け入れを進めていく考えである。

Q清水委員 職業学科もこれからの高校づくりの推進に当たっては、なお一層パワーアップしてほしい。例えば、小高連携や、小学生が近隣の工業高校、農業高校に行ってみるなど、小中高、幼稚園と連携しておけば、子どものうちから、あの学校いいなと思っていただくのもPRの一つかと思う。職業高校における異校種連携の取組や情報発信の工夫について、これまでの状況と今後の方向性をどのように考えているのか伺う。

A山城高校教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長 異校種間の連携の取組について。職業高校においては、これまでも地域の小学校や中学校と連携し、サケの放流や田植えなどの体験学習のほか、高校生が講師となって理科実験や自然環境調査に取り組むなど、それぞれの学科の特色を生かし、高校生の日ごろの学習の成果を地域貢献等につなげる取組が進められている。こうした異校種間連携の取組は、児童生徒の多様な学習機会の確保と職業高校の教育活動への理解を深める有効な機会となっている。

 道教委としては、今後、異校種間連携の取組事例を広く情報収集し、高校および道教委のホームページなどはもとより、SNS等、多様な媒体を通して情報発信に取り組むほか、市町村教委や連携先の学校にも地域などへの情報発信について協力をいただくとともに、成果等を各種会議で共有することなどを通して、取組の充実に努めていく。

Q清水委員 小規模校では、教員の数自体が限られることに加えて、比較的若くて経験の浅い先生が配置される傾向があるとの課題の声を聞いている。

 地域の教育力を向上させるためには、地域連携特例校など小規模校に対して年齢構成なども考慮したバランスの良い教職員を配置するという改善も必要だと思う。道教委の考えを伺う。

A伊賀教職員局長 小規模校への教員配置について。教職員の人事異動に当たっては、道公立高校教職員人事異動要領などによって、教員が多様な経験を積むこと、職員構成の適正化を図るため都市部だけではなく郡部の学校も経験してもらうことを定めているが、都市部から郡部への異動者が少ない傾向となっており、教員の年齢構成や勤務年数に不均衡が生じるなどの課題が見受けられている。

 このため、道教委としては、都市部から郡部の学校に一定期間異動し、学校運営の重要な役割を担当した場合には、次回の異動の際に教職員の希望を考慮する取組を行ってきたほか、4年度は試行的に、郡部の学校で自校の課題や求める人材を異動対象者に示すことによって、郡部校勤務の意欲の醸成を図る取組を行っており、今後も小規模校を含め、各学校において特色ある教育活動を推進できるよう、適材適所を基本とした人事配置に努めていく。

Q清水委員 4年度試行的に教員配置の取組を行い、道内6校から手が挙がったということで、5年度にそうした人事の良い影響が表れてくれるとよい。

 素案では、高校の魅力化や高校配置について、通学可能圏域など一定の圏域単位で道教委と地元市町村によって検討するとしている。新たな検討の場では、地方創生の観点なども踏まえ、圏域内の高校の役割分担や配置の在り方などを議論していくものと思う。

 特に小規模校に関しては、入学者の増加につなげ、地域の高校を活性化させるため、まずは地元の子どもたちが通いたいと思う、生徒に選ばれる魅力ある高校づくりが必要と思う。今後どのように取り組んでいくのか所見を伺う。

A唐川学校教育監 高校の魅力化について。中卒者数の減少に伴い、高校の小規模化が進む中、道内各地域における生徒の就学機会の確保と地域創生の観点に立った教育機能の維持向上の両面から、これからの本道の高校の在り方について地域と一体となって検討を進め、高校の特色化や魅力化を図る取組を推進していくことが、これまで以上に重要になっているものと認識している。

 指針素案で示した、一定の圏域における協議の場においては、関係市町村の参画を得ながら、圏域内に所在する高校の機能や役割などについて協議を行い、認識を共有しながら、圏域全体の高校教育の質の向上に向けた取組を推進することとしている。

 小規模校についても、地域の教育資源を積極的に活用した教育活動や入学者数の確保につながる方策等について意見をいただきながら、小規模校のメリットを最大限に活用した地学協働の取組や、遠隔授業による多様な学習ニーズに対応する教育課程の編成など、地域と共に特色ある高校づくりに取り組み、各圏域における教育環境の充実を図っていく考えである。

◆女性活躍推進

Q大越委員 道教委は3年3月、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく特定事業主行動計画の第2期を策定し、女性教職員の活躍推進に取り組んでいると承知している。学校における女性管理職員の登用に関する最新の状況について、3年度との比較と併せて伺う。

A山下教職員課長 女性管理職員の状況について。4年4月1日現在において、管理職員に占める女性職員の割合は、校長が8・2%で前年度と同様、副校長、教頭が11・9%で前年度の10・8%から1・1ポイントの増、管理職員全体で10・1%で前年度の9・6%から0・5ポイントの増となっている。

Q大越委員 微増ではあるが、まだまだ足りていないと認識していただきたい。

 第2期行動計画においては、3年度から7年度までの5年間を計画期間とし、女性管理職員の登用については、校長と副校長、教頭それぞれ15%を目標として定めているが、その目標にははるかに達していない。私自身はこの15%を目標としているということにも非常に不満を感じているが、目標の達成に向けて今後どのように取り組んでいくのか所見を伺う。

A伊賀教職員局長 目標達成に向けた取組について。道教委では、将来管理職となり得る女性職員が参加する研修会を開催するなど、女性管理職員の登用促進に向けた取組を進めてきたが、4年度は、ロールモデルとなる女性管理職の体験談などを掲載する女性教職員活躍事例集を作成し、管理職の魅力ややりがいを啓発するとともに、管理職選考実施要綱において、子育てや育児、介護等の事由を有する方への配慮を明記するなど、女性職員が管理職員として活躍できる環境の整備などに取り組んでいる。

 今後とも、こうした取組を進めるほか、市町村教委や校長会、女性管理職会などと連携しながら取組の改善充実を図り、第2期行動計画に定める目標の達成に努めていく。

D大越委員 事例集を作成するなどして啓発するとのことで、しっかり取り組んでほしいとは思うが、それだけでは受け身と言わざるを得ない。女性管理職を増やせるよう、現場でしっかりキャリアアップのためのフォローができるような体制づくりなど、本質的な取組を進めていただくことを求める。

Q大越委員 2年度の道内公立学校の男性職員の育児休業取得率は、目標である10%に対して3・8%、子の出生時に5日以上の休暇を取得した割合は、目標である100%に対して49%と低い状況だった。

 社会における女性の活躍が期待されている中、父親の積極的な育児参加は、出産や子育てをする女性が仕事を続け、能力を発揮するためにも、不可欠なものと考える。

 3年度の道内の公立学校における男性職員が、子の出生に当たって休暇を取得した割合と育児休業を取得した割合について伺う。

A中嶋教職員課働き方改革担当課長 男性職員の育児休業等の取得率について。3年度、道内の公立学校において、男性職員が育児休業を取得した割合は8・4%で、2年度の3・8%から4・6ポイント増となっている。

 また、子の出生時に5日以上の休暇を取得した割合は50・1%で、2年度の49%から1・1ポイントの増となっているが、いずれも第2期行動計画における学校職員の目標を達成していない。

D大越委員 微増ではあるが、やはり100%を目標としている中で、その半分しか達成できていないというのは非常に問題だ。まず、子の出生時に5日以上の休暇、これを100%達成しないことには育児休業取得率も向上しないと思っている。しっかり取り組んでいただきたい。

Q大越委員 道内公立学校の男性職員の育児休業取得率向上に向けては、しっかりと効果的な取組が必要と申し上げてきたが、どのような取組を行ってきたのか伺う。

 また、知事部局では管理職員によるプッシュ型の取組が成果を上げていると承知しているが、道教委では、今後どのような取組を行うのか伺う。

A池野教育部長兼教育職員監 育児休業の取得率向上に向けた取組について。復職後の業務や育児休業期間中の収入への不安、他の職員にかける負担などによって、育児休業を取得しやすい環境づくりが十分に進んでいないことから、道教委では、4年4月に道立学校の管理職員が男性職員と面談しながら育児参加に向けた業務マネジメントを行うための育児計画チェックシートを導入したところ。

 今後は、管理職員に対し、育児計画チェックシートの活用を徹底するよう促し、職員一人ひとりを理解して適切に配慮した対応を求めるとともに、全ての道立学校の管理職員が、職員に対して、積極的な子育てに関する休暇の取得などを促進する育児参加応援宣言を推進していくほか、収入面での不安の軽減に向けた育児休業収入シミュレーションシートを導入するなど、校長会等との関係団体と連携しながら、男性職員が育児に参加しやすい環境の整備を進めていく。

D大越委員 道教委においても知事部局と同じような管理職によるプッシュ型の取組を行っていくと理解する。

 父親もしっかり子育てに参画しているということを子どもたちに伝えることは、多様性社会の実現に大きく貢献すると考える。しっかり取り組んでいただくよう強く求める。

◆夜間中学

Q宮川委員 教育機会確保法第14条で、地方公共団体は、学齢期を経過した者であって、学校における就学の機会が提供されなかった者が多く存在することを踏まえ、夜間その他就学の機会の提供と夜間中学を設置する根拠を明示している。夜間中学を設置して教育の機会を確保する趣旨および法的根拠について併せて示していただきたい。

A新居義務教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長 教育の機会の確保について。平成28年に公布された教育の機会の確保等に関する法律は、教育基本法と児童の権利に関する条約等の教育に関する条約の趣旨にのっとり、教育機会の確保等に関する施策に関し基本理念を定め、国および地方公共団体の責務を明らかにするなど、教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進することを目的として定められたものである。

 この法律では、夜間その他特別な時間等において、義務教育の段階における教育を十分に受けていない者の意思を尊重しつつ、年齢や国籍、その他の事情に関わりなく、能力に応じた教育を受ける機会が確保されるようにすることなどを基本理念としている。

Q宮川委員 全国の公立夜間中学の設置状況であるが、まず何県で何ヵ所あるのか。そのうち、政令指定都市に何ヵ所、指定都市以外で何ヵ所設置されているのか。

A新居義務教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長 全国の公立夜間中学の設置状況について。文部科学省によると、4年4月の時点で、15都道府県に40校が設置されており、このうち、政令指定都市による設置が15校、政令指定都市以外の市による設置が16校、東京都の区による設置が7校、県による設置が2校となっている。

Q宮川委員 2020年国勢調査において、本道の義務教育未修了者は5万8444人とされ、全国で一番多いことが分かった。

 義務教育未修了者の割合について、まずは高い順に、県別で5件挙げていただきたい。また、道内市町村別について、義務教育未修了者が1500人以上の市町村について示していただきたい。

A新居義務教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長 国勢調査の結果について。人口に占める未就学者数と最終学歴が小学校の者の数を合わせた人数の割合は、高い順に、青森県、秋田県、岩手県、新潟県、山形県となっている。

 また、道内市町村における未就学者数と最終学歴が小学校の者の数を合わせた人数が1500人以上の市町村は、札幌市、旭川市、函館市、苫小牧市、小樽市、釧路市、北見市となっている。

Q宮川委員 教育長は、義務教育を修了できなかったことについて、戦後の混乱と貧困を挙げている。まさに戦後の混乱と貧困が教育にもたらした影響は極めて大きいと言える。

 札幌市立星友館中学校が開校したが、その開校以前から、本道として、夜間中学に関する取組、あるいは、団体等から本道への働きかけがあったと考えるが、その点について報告いただきたい。

A中澤学校教育局指導担当局長兼学校教育局新型コロナウイルス感染症対策担当局長 公立夜間中学に係る道の取組について。道教委ではこれまで、学識経験者や自主夜間中学などの関係団体等で構成する、夜間中学等に関する協議会を定期的に開催することとしており、全国夜間中学校研究会や北海道に夜間中学をつくる会、札幌遠友塾自主夜間中学からの夜間中学設置に関する要望も踏まえて、札幌市における夜間中学の設置も含めた情報交換を行ってきた。

 また、夜間中学の設置など、学び直しの機会の提供における市町村の取組状況などを把握するため、教育機会の確保等に係る市町村の現状に関する調査を実施するほか、市町村の理解が一層促進されるよう、夜間中学等に関する制度や道内外の実践事例などを資料として取りまとめ、配布してきたところである。

Q宮川委員 札幌市立星友館中学校は、施設も整い、学校給食を実施している、就学支援制度もある誇るべき学校であり、札幌市内に限らず、周辺市町村からも通学していると伺っている。通学の実態についてどう把握しているのか。

A新居義務教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長 札幌市立星友館中学校の状況について。星友館中は、札幌市教委と覚書を交わしている道内の市町村に在住している方も入学の対象としており、10月1日現在、在籍者93人のうち、札幌市以外は6市から10人が通学しており、内訳は、北広島市2人、恵庭市3人、江別市2人、千歳市1人、小樽市1人、苫小牧市1人となっている。

Q宮川委員 道内の夜間中学は、星友館中と自主夜間中学である札幌遠友塾、その他道内各地に自主夜間中学などが、それぞれ献身的なスタッフによって運営されているものと認識している。これらは、どこに、どのように配置され、それぞれ何人程度通学しているのか、把握している範囲で示していただきたい。

A新居義務教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長 自主夜間中学等の状況について。道教委が活動状況を把握している道内の自主夜間中学は、札幌市、函館市、釧路市の3市に設置されており、3年10月時点での利用者は、札幌遠友塾自主夜間中学が64人、函館遠友塾が45人、釧路自主夜間中学くるかいが26人となっており、いずれも週1回、2時間程度の学習を実施している。

 また、4年5月に北見市に、北見夜間中学が新たに開設されたと承知している。

Q宮川委員 学び直しができる、自分に合った学び方ができることが、それぞれの夜間中学を通じて、社会に認知され夜間中学と本道の教育が発展することを目指すべきであるが、どう考えているのか。公立夜間中学と自主夜間中学の性格の違いを踏まえて答弁いただきたい。

A中澤学校教育局指導担当局長兼学校教育局新型コロナウイルス感染症対策担当局長 公立夜間中学と自主夜間中学について。公立夜間中学は、昼間の中学と同様に週5日間、学習指導要領に基づく教科等の授業を行うものであり、自主夜間中学は、中学校を卒業するまでの学習内容等について、個々の状況に応じて学び直しができるようになっている。

 札幌市には、公立の星友館中と民間の札幌遠友塾があり、様々な事情によって義務教育を十分に受けられず学習することを希望する方々が、それぞれのニーズに応じて選択している。

 道教委としては、こうした公立夜間中学や自主夜間中学をはじめとする多様な教育機会の確保に向けた取組を推進することが重要と考えている。

Q宮川委員 全道の公立夜間中学の在り方、配置についてどう考えているのか。本道全体の公立夜間中学と自主夜間中学の役割分担と連携の在り方を検討すること、道が広域行政としての役割をどう発揮するのか、いずれも教育関係者や市町村と十分に話し合う必要がある。公立夜間中学は道内に1ヵ所では足りないので増設するという前提で協力と連携を進めるべきである。複数配置に向けた考えを伺う。

A唐川学校教育監 本道の夜間中学の在り方について。道教委としては、広大な本道において、学齢期に様々な理由で学校に通えなかった方や外国籍の方など、義務教育段階の学びを求める方々に学習の機会を保障するためには、地域の実情とニーズに応じた検討を着実に進めていくことが大切と認識している。

 今後は、定期的に開催している学識経験者や教職員、市町村、自主夜間中学の関係団体等で構成する夜間中学等に関する協議会において、新たに設置された星友館中の取組やその成果、他の都府県の先行事例を参考にしながら情報交換を行うなどして、本道の地域特性に応じた札幌市以外の地域における夜間中学の設置の在り方を模索していく。

P宮川委員 都道府県、政令指定都市に1ヵ所は設置しなくてはならないとなっている。星友館中に通うことができるのは、札幌市と覚書を交わした合計12市町村であり、残りの167市町村には通うべき公立夜間中学がない状態である。これでは教育の機会が確保されたことにはならない。

 教育機会確保法第5条、地方公共団体の責務では、当該地域の状況に応じた施策を策定し、実施する責務を有するとされており、本道の状況に応じた施策としては、1ヵ所では済まないはずである。設置する場所や市町村との協議は十分行うべきだが、いつまでも模索で時間が経過するということでは、法が制定された趣旨に反することになる。これ以上模索を続けるのではなく、具体的な検討に入らなくてはならない。

(道議会 2023-04-06付)

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