5年度フロンティア人材育成事業 南茅部高生 道内外でPR活動 渡島局 縄文文化の魅力発信
(道・道教委 2023-04-11付)

 【函館発】異校種が連携して縄文教育に取り組む渡島教育局の独自事業・渡島フロンティア人材育成事業の5年度構想案がまとまった。渡島総合振興局と連携し、南茅部高校の生徒が道内外でのPR活動に取り組む活動に着手する。事前学習として北斗市や七飯町、森町の資料館等を訪問するなど、函館市外の縄文文化を学ぶ機会を設定。最終的には北海道・北東北の縄文遺跡群としてつながりが深い青森県での発信活動を通じて、渡島の地域づくりを担う人材育成を進める。

 4年度から開始した同事業では、函館市南茅部地区の小・中学校、高校の4校を事業の協力校として指定。各校では函館市縄文文化センターや北海道・北東北の縄文遺跡群の構成資産となっている垣ノ島遺跡・大船遺跡への訪問、外部講師を招いた土器洗い体験などの学習に取り組んできた。

 学校単位での学習に加え、青森県三内中学校の生徒や地域住民、縄文関係者との交流の場を設定。協力校の児童生徒が世界遺産・縄文文化を広く発信する方法を考える場を通して、異校種の連携を深めるとともに、故郷への誇りや愛着を育んできた。

 渡島局が協力校の児童生徒を対象にしたアンケート調査では「南茅部地区の縄文文化は守るべき価値のあるものだと思う」「自分の住んでいる地域には良いところがある」との設問に対し、9割を超える児童生徒が肯定的な回答を寄せた。

 引率教員を対象としたアンケートでは「縄文文化を学習に積極的に取り入れたいと思う」「学校が外部機関や人材と連携することは、児童生徒の学びに効果的だと思う」という設問に対し、全ての教員が「よくあてはまる」と回答するなど、地域資源を活用した学習意欲に向上が見られている。

 一方、縄文教育に関する取組内容が重複してしまうなどの課題もあり、渡島局の担当者は「小・中学校、高校が連携し、系統的で効果的な学習に向けた教育活動の改善や学習内容を発信する場面設定を工夫する必要性がある」と捉えている。

 こうした成果や課題を踏まえ、本年度は渡島総合振興局環境生活科、商工労働観光課と連携した活動を実施。「JOMON渡島高校生PRキャラバン」と題し、高校生が道内外で縄文文化をPRする実践的な内容に着手する。

 探究学習では、管内の縄文関連遺産に広く目を向けるため、北斗市や七飯町、森町の郷土資料館や博物館を訪問。

 道内では「はこだて縄文まつり」など近隣地域のイベント等を活用するほか、青森県の高校生との情報交流を検討。生徒がグローバルな視点で発信し、新しい発想や探究的な視点を獲得できる人材の育成を目指す。

(道・道教委 2023-04-11付)

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