「新しいかたちの学び」実現へ 推進教員 小中50校に配置 詳報・授業力向上推進事業(道・道教委 2023-04-17付)
授業改善へイメージ共有
道教委は、本年度新規となる「新しいかたちの学びの授業力向上推進事業」の推進教員の配置校として小・中学校50校を決定した。1人1台端末を活用した「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」「家庭学習の充実」の2点を重点に設定。配置校や連携を巡回して授業改善を推進し、成果を地域全体、管内に普及させる。
事業は“子どもたちの未来を拓く”学びのトランスフォーメーション推進事業の一環で、授業改善推進チーム活用事業の後継事業となるもの。国語、算数・数学、ICTの各分野で豊富な経験と高い専門性を有する「新しい形の学び授業力向上推進教員」を小・中学校に配置し、各分野の推進教員がグループとなって1週間単位で配置校や域内の連携校を巡回。チーム・ティーチング(TT)による指導を通し、小学校は学校全体、中学校は数学の授業改善を進める。
事業の重点は1人1台端末を活用した「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」「家庭学習の充実」の2点に設定。5年度は特に、児童生徒や教師とのやりとり、考えの整理・発表・表現の各場面における端末の活用や、メクビットなど学習アプリの効果的な活用に重点的に取り組む。
全推進教員・配置校、専科教員が情報を共有するクラウド上のフォルダ「学びネットワークコミュニティ(学びネット)」を構築し、教材、板書計画を共有する体制を整備。アカウントの一覧化も予定しており、遠隔授業の参観や打ち合わせで活用することで効果的・効率的な授業改善につなげる。
校内研修などで活用できる授業動画などを収録した映像版実践資料も引き続き作成。ユーチューブで道内の小・中学校に限定配信する予定だ。
今後各地域で取組を開始。関係市町村教委においては2ヵ月に1回程度定例報告会を開催するなど地域全体の授業改善の加速化を支援する。道教委においては6月22日と12月14日に全道研修会をオンラインで開催する予定で、重点に関する理解の深化や取組状況の振り返りを行う。
推進教員の配置校はつぎのとおり。
▼空知
▽滝川市=滝川第三小、西小
▼石狩
▽北広島市=西部小、大曲小
▽千歳市=千歳小、緑小
▽石狩市=花川南小、双葉小
▼後志
▽小樽市=山の手小、望洋台小、朝里小
▽余市町=黒川小、沢町小
▼胆振
▽室蘭市=白蘭小、蘭北小、地球岬小
▼日高
▽新ひさか町=高静小、静内小
▼渡島
▽函館市=あさひ小、桔梗小、北昭和小
▽森町=森小、さわら小
▼上川
▽旭川市=知新小、旭川第三小、光陽中、春光台中
▽富良野市=富良野小、扇山小、東小
▼留萌
▽留萌市=東光小、緑丘小
▼宗谷
▽稚内市=稚内東小、潮見が丘小
▽豊富町=豊富小
▽幌延町=幌延小
▼オホーツク
▽北見市=北光中、上常呂中
▽紋別市=紋別小、潮見小
▼十勝
▽帯広市=緑丘小、栄小、明和小
▽音更町=音更小、鈴蘭小
▼釧路
▽釧路市=大楽毛小、美原小、興津小
▼根室市
▽根室市=海星学校(前期課程)、厚床小
◆好事例 発信に期待 授業改善へイメージ共有
道教委は13日に事業説明会をオンラインで開催した=写真=。推進教員、配置校の管理職、関係市町村教委担当者ら約160人が参加し、今後の授業改善に向けたイメージを共有した。
髙橋宏明学力向上推進課長は「これまで行ってきた授業改善推進チーム活用事業をベースに全道の各学校で“新しいかたちの学び”の具現化に向けた授業改善を加速させることが目的であり、本道における学力向上施策の重要な柱の一つ」と事業の趣旨を説明。「本道の授業改善をけん引しているという気概を持ち、各地域で多くの好事例を発信してほしい」と期待した。
続いて担当者が事業の概要を説明。学校の協力体制を構築する配置校管理職や市町村教委の役割を伝え、推進教員、管理職、市町村教委による連携体制の構築を呼びかけた。チーム・ティーチングによる指導や4年度の授業改善推進チームによる授業改善の好事例も紹介。各地域の支援体制の整備の在り方について協議した。
(道・道教委 2023-04-17付)
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