札幌市　防災教育デジタル教材　教員向けサイトで公開　授業目的等に応じ編集可能

（札幌市 2023-05-09付）

防災教育教材例

　札幌市危機管理局は、新たな防災教育教材「さっぽろそなえ箱」を作成し、教員向け特設サイトで公開している。１人１台端末が整備されたことを踏まえ、スライドや写真、動画などで構成するデジタル教材として配布。授業の目的や時間に応じて、教員が自由にカスタマイズして活用できる。

　市は平成２５年度、将来の防災の担い手育成を目的に冊子形式の防災教育教材を作成し、小・中学校での活用を推進してきた。

　一方、近年は自然災害が甚大化・頻発化しており、子どもの生きる力を育む重要性が高まっている。

　さらに、市教委は令和元年度から市学校教育の重点に「安全教育」を加え、学校の教育活動全体を通じた防災教育を推進することなどを示した。

　こうした背景を踏まえ、防災教育がより効果的に推進されるよう教材を改訂。ＧＩＧＡスクール構想によって１人１台端末が整備されたことを踏まえ、デジタル教材として作成した。

　児童生徒の発達段階に応じて小学１～３年生向け、４～６年生向け、中学生向けの３種類のスライド資料を用意。地震、水害、土砂災害、竜巻・雷、雪害の５つの災害について、知る、創造、行動、備えの４つのカテゴリーでポイントを解説している。

　また、東日本大震災、胆振東部地震など過去の災害の様子を記録した写真や動画もあり、授業の目的や時間に応じて自由にカスタマイズして活用できるようになっている。

　このほか、展開アイデアや活用できる教科・単元などをまとめた指導のポイントシート、指導案例を作成し、教員の活用を支援している。

　４年度、市教委が実施する研究開発事業の一環として、小・中学校５校でさっぽろそなえ箱を活用した授業を試行した。市教委はその成果などを踏まえ、教材の活用を働きかけていく考え。

(札幌市 2023-05-09付)