未来の管理職の育成・確保へ　若手への働きかけ充実を　調査業務の効率化など要望

（道・道教委 2023-05-16付）

　道教委は１１日、道庁別館で第１回道立高校「未来の教頭」応援プロジェクト会議を開催し、管理職候補者の育成・確保に向けた今後の対応策を協議した。若手教員への働きかけの充実や管理職に必要な資質・能力の計画的な育成の重要性を確認。教頭の負担軽減を図るため調査業務の効率化を求める声も上がった。

　会議は「教頭職の魅力化」と「人材の育成」の２点について、具体的かつ実効性のある取組を協議するため３年度に設置。道教委の関係課長、道高校長協会、教頭・副校長会等を構成員とする。

　開会に当たり谷垣朗教職員局長があいさつ。４年度の教頭昇任候補者選考の受検者数は前年度比１・６倍の４４人と大きく増加した一方、今後数年間にわたって管理職の退職者が多い年が続き、５年間で約２５０人の教頭昇任が必要となる見通しを説明。昇任適齢層となる４０台後半の職員が相当数減少する中、量的な確保とともに管理職としてふさわしい資質の確保にも注力が必要とし、未来の教頭の育成のため協力を呼びかけた。

　続いて道教委が教頭候補者の育成に向けた過去の取組や５年度の取組予定を説明。これまでの課題をもとに受検者の資質の向上や教頭の負担軽減をテーマに意見を交換した。

　出席者は、管理職を目指す意識を醸成するため若手段階からの積極的な声かけが必要とし「校内の人材育成や研修の機会を通じて管理職を意識する働きかけがさらに充実されると良い」「課題解決に向けたファシリテーション能力（学校内外の関係者とのコミュニケーションを通して学校教育力を最大化する力）が必要だが短期間で身に付くものではない。強く意識して育成する必要がある」と意見した。

　教頭の業務負担の軽減に向けては、回答時期のめどや重要度を分かりやすく示すなど、調査業務の効率化を求める声も。このほか「５０歳前後で昇任する教頭のイメージを変えていく必要がある」「立場上、教員は上から目線になりがち。（管理職となる者は）パワハラと受け取られることのないよう常に意識し、注意しなければならない」などの意見があった。

　次回会議は７月開催を予定。今回の議論を踏まえ引き続き各種取組を推進することとしている。

(道・道教委 2023-05-16付)