厚真町 5年度教育行政執行方針 部活動地域移行 段階的に推進 厚真高魅力化へ取組支援(市町村 2023-06-07付)
遠藤教育長
【室蘭発】厚真町教委の遠藤秀明教育長は5年度教育行政執行方針において、今後の部活動の在り方について、町のスポーツ振興と一体的に検討を進め、部活動指導員制度などを活用しながら条件が整ったものから段階的に移行を進める考えを示した。厚真高校の魅力化については、探究型キャリア教育プログラムの推進や学校運営協議会の取組を支援していく。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼学校教育
▽子どもの可能性を引き出し、才能や個性を伸ばす教育の推進
児童生徒一人ひとりの学びの充実を図るため「厚真の未来を語れる子」の育成を目指す小中一貫教育の取組を軸に、授業における「あつまスタイル」の継続とともに主体的・対話的で深い学びの実現を目指す探究的な学びの実践と検証を重ねながら、児童生徒の可能性を引き出し、才能や個性を伸ばす教育の推進に努める。
また、児童生徒が町の有する地域資源を活用したり、地域の方々と多様に関わったりしながら積極的に社会に参画しようとする意識を高め、自らの将来とのつながりを見通すことによって、社会的・職業的自立の基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう、キャリア教育の充実を図るほか、自分の身の回りの「人・もの・こと」との体験等を通じて生きる力の育成につなげる「ふるさと教育」を推進していく。
1人1台のタブレット端末の環境を生かし、授業における効果的な活用のほか、遠隔授業の取組や長期休業期間等における活用など、学習ニーズに応じた活動の充実に努める。
また、特別支援教育では、こども園、小学校、中学校の特別支援教育に係る実務者会議によるきめ細かな子どもたちの見取りをもとに情報を共有するなど、関係機関による連携体制の強化を図り「通級指導教室」のほか、一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な学びの場につなげられるよう支援の充実に努めていく。
▽英語を活用しグローバル社会に生きる子どもの育成
これまでの教科等横断的な取組による厚真PRプロジェクト学習の実践と改善、全授業へのALTの配置、カリキュラムの見直しなどによって、現在の本町の児童生徒の外国への興味・関心や英語力は着実に伸びてきている。
本年度はこうした活動の積み上げや学校における授業改善と指導体制の確立を図るとともに、本町の小中一貫教育を支える柱の一つとして、町内のこども園や厚真高校との連携した取組の可能性を探るなど、持続可能な英語教育を目指す。
▽豊かな心の力を育む教育活動の充実と健やかな体を育む子どもの育成
スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる相談や専門家による心のサポート授業などを継続的に実施するなど、保護者を含め、子どもたちの個に応じた心のケアとサポートを最優先にしながら、学校の教育活動全体を通じた道徳教育および体験活動の充実を図っていく。
また、子どもたちによる児童会や生徒会などを含めた学校の教育活動全体を通じ「いじめは決して許されない」ことの理解を促す。さらに、教職員間の情報共有を徹底するとともに、学校、家庭、地域住民、関係機関等との連携のもと、いじめの未然防止、いじめの早期発見およびいじめへの対処などを総合的かつ効果的に推進する。
健康の増進と体力の向上については、本年度も毎年実施している全児童生徒を対象とした体力テストの分析結果や健康診断結果をもとに、成果や課題の明確化を図り、感染症対策等を徹底しながら、体育授業、部活動、休み時間や放課後活動の工夫など、子どもたちの体力向上に向けた取組を学校、家庭、地域と連携して進める。
学校給食費については、昨今の物価高騰の影響が賄材料費にも及んでおり、本年度は厚真高校生徒を含む教職員等へ提供する給食費については実費相当の改定を予定しているが、小・中学校児童生徒およびこども園園児の給食費については現状を維持することとし、今後の賄材料費の動向を注視しながら学校給食費の適正化を図っていく。
▽質の高い教育を支える教育環境の確保
本年度も引き続き「英語教育」「ふるさと教育」「授業づくり」「特別支援教育」を柱とする本町ならではの小中一貫教育を一層推進していく。
近年、少子化や教員の働き方改革など、学校教育を取り巻く環境は大きく変化しており、部活動の在り方も見直しが求められている。
国においては5年度から7年度の3年間を部活動の地域移行の改革推進期間と位置付けており、町においても今後の部活動の在り方について、町のスポーツ振興と一体的に検討を進め、部活動指導員制度などを活用しながら、条件が整ったものから段階的に地域移行を進めていく。
また、地域おこし協力隊・スポーツ振興支援員を活用し、子どもたちの体力向上や部活動の地域移行を一体的にサポートする体制を整えていく。
厚真高校の魅力化の取組では、本年度も正課カリキュラムである「総合的な探究の時間」を本町の特色を生かした探究型キャリア教育プログラムへと進化させるための多角的な支援を行い、高校の特色化と魅力化を一層推進していく。
また、新たに厚真高校に学校運営協議会が設置されることから、地域との連携をさらに深めた学校運営を支援していく。
▼社会教育
▽社会全体の教育力の向上
現在、町では子どもたちに求める15歳の姿を「厚真の未来を語れる子」としている。この目標に向けた取組の一つとして実践されているふるさと教育を推進するため、コミュニティ・スクールをはじめ、地域の企業や団体、個人などの参画による「あつまるねっと」の充実を図るとともに、学校と地域の協働体制をさらに深め、ふるさと教育推進コーディネーターの活動によって拡充されてきている産業や地域人材等の地域資源を生かした特色ある教育活動を支援していく。
また、前年度からは、将来の厚真の教育について、学校、地域、教育委員会の立場を越えて協議するプロジェクトを立ち上げ、これからの時代に求められる資質・能力について考えるワークショップを開催している。
これらの活動を通して、子どもたちの育ちを中心に捉え、関わる大人も共に成長し続ける社会全体の教育力の向上に努める。
(市町村 2023-06-07付)
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